乙女ゲームおたくの日記

主に乙女ゲームの感想を書きます。

遙かなる時空の中で7 佐々木大和 感想 スパダリの素養を感じる


先日発売された、待望の遙か新作、7。
発売日に届きましたよ、A4サイズで厚み10㎝くらいのでかいボックスが!いろいろ特典がついているとはいえ、ゲーム1本でこんなに大きい箱は初めてです。まあ3万円以上もしたしね。
特典の、八葉のミニキャラが主人公の人形を持ってるアクリルキーホルダーがとても可愛いです。ステラワースで買ってよかった。
さっそく一人目の佐々木大和を攻略したので感想を書きます。

遙かシリーズは4、5、6のみプレイ済みで、6>4>5の順で気に入ってます。
今のところ7もかなり楽しくて、6>7>4>5の順になりそうです。

 

システムについて

戦闘はほぼオートです。キャラたちは勝手に相手を選んで攻撃してくれるので、プレイヤーは応援して味方の能力値を上げたり、回復したり、敵の属性に合わせてメンバーを入れ替えたりする操作だけ行えます。
体験版をやった限りでは結構難しい?というか、適度に手を加えないと負けてしまうなと思っていたのですが、ある程度レベルが上がればもう放ったらかしで十分でした。敵の強さを弱いにしていたからだと思いますが。ぬるいを通り越して冷水みたいなゲーマーとしては、戦闘に手がかからないのはよかったです。戦闘画面は古いRPG風で可愛らしく、見た目は6の戦闘より楽しいです。
(記憶が新しいのが6だけなので主に6との比較になりますが)6は怨霊を倒したりイベントを起こしたりするごとに時間が経過するため、倒せる怨霊や起こせるイベントの数にある程度限りがありましたが、7はそういう縛りがないのでよりレベル上げや同時攻略がやりやすそうです。
でも私は要領が悪いのでワンプレイワンキルでいきます(キルするわけではない)。

 

主人公・天野七緒について

七緒は現代日本で育った女子高校生ですが、生まれは戦国時代(に似た異世界)、それも父は織田信長でした。戦火から逃れるために龍のウロコの力で時空を越え、天野家に拾われて普通の女の子として育てられたのです。
出身地は異世界だけど育ちは現代というあたり、4を彷彿とさせますね。個人的には、何の変哲もない少女が召喚されるより納得がしやすいので好きです。
性格は特に個性強烈というわけではないですが、歴代の主人公と比較すると脳筋ポジティブな面が目立つ、見ていて気持ちがいい子ですね。現代では薙刀部の稽古に精を出していたという設定なので、怨霊と戦うことへの抵抗もあまりなく勇ましいです。

 

八葉について

今回の八葉も個性豊かで魅力的です。キャストは5や6からの続投ですが、それぞれのキャラにマッチしていると思います。
攻略したのは大和だけですが、現時点での印象を書いておきます。
真田幸村(cv.寺島拓篤)
 真面目で明朗で心優しく、かなり感じのいい青年です。こういう素直にいい奴なキャラに最近弱いので、ぜひ攻略したい。しかし昔はワルだったらしく、気が昂ると荒くれ者に変貌する面もあります。ちょっと不安になる要素ですが、ぜひ攻略してもっと深いところを知りたいですね。実直な彼に寺島さんの声がよく合っています。

・天野五月(cv.鈴村健一)
 穏やかで優しくてちょっと頼りないけど、血の繋がらない妹である七緒を誰よりも大事にしてくれるお兄ちゃんです。乙女向けコンテンツにおける兄キャラってやばい奴も多いのですが、五月は今のところちょっと心配性なくらいで普通の良いお兄ちゃんな感じ。ただ、双子の兄に対する劣等感を見せる場面では彼の闇も垣間見えました。ぜひ攻略したい。鈴村さんの優しい声の演技が良い。

宮本武蔵(cv.阿部敦)
 常にポジティブで元気いっぱいな男の子です。今のところ陰を全く見せないので、彼のシナリオがどんなものになるか予想がつきません。気になるところといえば「宮本武蔵」は若いうちからすごく強かったはずなのに(詳しくないのでわかりませんが)彼は一生懸命鍛錬してもなかなか試合に勝てずにいるという点。攻略すれば明らかになるのでしょうか?ぜひ攻略したいです。阿部さんの活発な少年ボイスは違和感0です。

黒田長政(cv.立花慎之助)
 一国一城の主なだけあり、プライドが高く高慢で、神子に対する不信感を最も明確に示してきます。彼は甘さを嫌うので、私が心のままに選択肢を選ぶと大抵彼の好感度が下がります。でもこういうタイプ、乙女としてはぜひ落としたいですよね!攻略するのが楽しみです。人気が出そう。立花さんの声は高慢ちきなキャラに最適だと思います。

直江兼続(cv.竹本英史)
 八葉でおそらく最年長の兼続さん。掴みどころがなく、ある意味長政さんよりも手強そうな人です。彼のルートもどんな内容になるか想像つかないなあ。ぜひ攻略したい。竹本さんの声はやっぱり、知的ながら色気も感じさせる美声ですね。智将キャラなのに喋り方が「〜だぜ」なのも軽妙洒脱な感じがして魅力的です。

阿国(cv.四反田マイケル)
 見た目で男性と見抜ける人がそうそういないほどのたおやかな美貌を持つ舞手の阿国。話し方はいわゆるオネエ口調ではなく、「〜だよ」「〜なのさ」みたいな蓮っ葉な姐さん口調。地味に珍しい気がします。争いを好まない性格で、七緒が攻撃を受けると「可哀想に」というようなことを言ってくれたりして優しいです。けど萌えられるかどうかは不明だな。攻略してみないと。四反田さんのなよやかな声がよく似合います。

柳生宗矩(cv.安元洋貴)
 不器用クールな密偵、宗矩さん。自分のことをなかなか語らないため、今のところかなり情報が少ないです。歴史的には、あの有名な柳生十兵衛の父親らしいですね。忠誠心の厚いストイックなキャラといえば、愛と使命の板挟みになるシチュエーションが鉄板ですが、彼のルートはどうなのでしょうか。ぜひ攻略したい。安元さんのクールな低音ボイスは誂えたようです。

こんな感じで、どのキャラも攻略したいと思わせる要素があり魅力的です。2人目は五月お兄ちゃんを攻略するつもりですが全員楽しみです。
次は大和ルートの感想を書いていきます!
         
・佐々木大和(cv.岡本信彦)

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七緒とは幼なじみの、ぶっきらぼうで気怠げな男の子。ポジション的にもなんとなく4の那岐を彷彿とさせます。那岐好きなので、第一印象からまず大和を攻略したいなと思っていました。
強い霊感の持ち主である大和は、幼い頃から普通の人には見えないものが見えています。そのせいで気味悪がられたりもして、疎外感をずっと感じてきたようです。父子家庭の子ですが父との仲は険悪で、それも彼の孤独を深めています。同じく霊が見える五月と、見えないけれど分け隔てなく接してくれる七緒にだけは彼も心を許しています。
異世界出身で神子である七緒と、七緒の兄であり星の一族でもある五月には異世界に行く十分な動機がありますが、大和は特に因縁もないのに二人についていく形で異世界行きを決めます。ちょっと軽いんじゃないかと最初は思いましたが、二人の他に頼りにできる人もおらず、夢中になれるものもない世界にこだわる理由もないと考えれば自然なのかなと。
そんなわけで大和くん、素直でないながらも、序盤から七緒に対しては打ち解けた様子で接してくれます。いつも怠そうにしてる子が自分には何かと構ってくれるって、気まぐれな猫が懐いたみたいでベタだけどやっぱり嬉しいですよね。歩き疲れたり、現代に来てはしゃぐ八葉の面々に振り回されたりして文句垂れる姿も可愛い。 お人好し兄妹に挟まれる常識人な感じも可愛い。
岡本さんの演技がまたいい味を出しています。キャラの方向性は大分違いますが、怠そうな喋り方という意味では『ピオフィオーレの晩鐘』の楊っぽさも少し感じる演技です。

そんな大和くんですが、七緒と五月以外の八葉のメンバーになかなか心を開こうとしません。みんなに認められたいというようなことを言う割に、みんなからの好意や信頼を素直に受け入れられず距離を置いてしまいます。七緒は、そうして孤立する大和のことを放っておけずに追いかけます。
この場面の七緒が良いんですよね。強引に迫るでもなく、知り抜いた故の気安さでさらっと、すっと相手の領域に入り込む感じが。大和の態度の裏の「自分から心を開いて拒絶されるのが怖い」という心を七緒はあっさりと見抜くのです。
そして頬をつねって喝を入れます。(ネットの広告で使われてるスチルですね)高校生男女らしいじゃれあいが可愛らしく、好きなイベントです。

無事に龍脈を正し、(使命を果たせば消えるはずの八葉の力がなぜが消えないけど)一件落着!というところでスタッフロールに入り、まさかこれで終わりか!?と思ったのですが、どうやらスタッフロール後が本番だったようです。2部構成なんですね。
大元は絶ったはずなのになぜか消えない怨霊の謎や、大和の父との軋轢に話が及んでいきます。さらに恋愛面でも、1部では七緒に対する信頼とほのかな(本当にほのかな)独占欲を見せるのみだった関係が恋に発展していきます。この展開の緩やかさがネオロマらしい気がしていいですね。
「大和のことは私の方がよく知ってる」的なことを言われた大和が後で「七緒は真顔だとキツく見える顔だから笑顔の方がかわいい」「知らないの? お前も自分のこと全然知らねえじゃん」的なことを言い返す場面めっちゃ萌えました。(メモしてないので台詞超うろおぼえ)
七緒、そういう顔立ちって設定だったんですね。真顔だとキツくて笑顔がチャーミングってモーニング娘。の北川莉央ちゃんみたいな感じ?(ハロオタなので唐突にハロメンで例える)

途中、色々あって大和は陰の気やら力への妄執やらに呑まれそうになりますが、七緒が根気よく寄り添い続けたことで「仲間のみんなと一緒にいたい」という本心をやっと打ち明けてくれます。
そこからはもうとんとん拍子。ラスボス感のないラスボスをさくっと倒して痴話喧嘩オチにずっこけて、お待ちかねの恋愛シーンです。
大和は一度覚悟さえ決めれば、けっこう照れずに愛を囁くタイプでした。うろたえる七緒。関係が逆転したようで面白いです。
八葉の務めを果たした大和は父や現世と決別して異世界で生きることを決意しますが、愛しい七緒のことを引き止めようとはしません。
「側にいなくても心のよりどころにしているから」というようなことを言ってくれますが、それはもうある意味「愛」の最高位では? 高校生にしてそこまでたどり着いちゃう? と思いました。
七緒の存在を心の支えにはしても依存はしない。何気にすごく人間のできてるいい男だよなあ。すごいよ。
剣の道を極める旅に連れて行ってくれないのは寂しいけど、SNSの書き込みみたいなゆるい内容のかわいい手紙をそれなりにこまめに出してくれるようなので許します。