乙女ゲームおたくの日記

主に乙女ゲームの感想を書きます。

君は雪間に希う 久賀源十郎ルート感想 ○○○○○○注意報が欲しい!

オトメイトの新作である君雪こと『君は雪間に希う』の一周目、久賀源十郎(cv.佐藤拓也)ルートを終えました!
公式からネタバレ自粛のお願いも出ている作品ですが、クリックしないと読めないブログというだけでワンクッションにはなっているし、あまりに詳細なネタバレは避けつつ感想を書くくらいならきっと問題ないだろうと思います。(記事の後半で、ある仕掛けについてネタバレしています)

 

某お笑い芸人がプロデュースに携わったという本作、プロモーションでもその点が押し出されていますが、ゲーム本編には彼を連想させる要素は今のところ皆無です。もしその辺を不安に思う方がいらっしゃったら、心配する必要はないと思います。

まず一周した時点での感想ですが、かなり萌えました!!源十郎ルートだけでも個人的には元が取れたと思うレベルです。
本筋となる宵過退治のお話はすごく面白いというわけではないものの矛盾のない話運びだし、事件を追うことと攻略対象の問題を解決することがイコールになっているから自然とのめり込めます。
そして何より萌えました!乙女ゲームにおいて重要なことは萌えたか萌えなかったか、言ってしまえばそれだけなので、一周しただけでも私は君雪を良作と判断していいと思いました。

今作の攻略対象陣は全員「奇虚」と呼ばれる存在で、平たく言えば、戦闘のために作られた心を持たない人造人間といったところ。
表面上は感情的だったり友好的だったりに見えても、実は任務のためにそう振る舞った方が良いと考えてそうしているだけ。そんな彼らとの心の交流、そして恋愛が君雪のテーマとなるわけですね。
主人公の「他人の感情を視ることができる」という能力も物語でいい働きをしていて、典型的なお役目人間だった(お役目奇虚だった)源十郎が感情を得ていく過程が丁寧に描かれています。

奇虚たちの中でも人間関係には不器用で、一番「人造人間」っぽさがあった源十郎。
主人公とのやりとりでも、ちょいちょいズレっぷりを披露してくれます。本人は常に真剣だから余計に面白いというタイプ。
どのくらいズレているかというと「悩んでいるときは動物と触れあって気を紛らわせるのが良い(要約)」という主人公の助言を受けての台詞が


「そうか。では差し支えなければ、
 今夜はお前を抱いて良いか」(原文ママ)


主人公と一緒に「ええ!?(赤面)」となってしまった場面。初めてうっかり押した意外でスクショボタンを使いました。まだ恋愛関係になっている訳でもなんでもないのに真顔でこの提案。このあと本当に抱き合います。
こんな感じで前半は、まだ自分に人間らしい感情があると自覚していない朴念仁の極み源十郎と、彼にそんな気があるわけないと思いながらドキドキしてしまう主人公という構図です。
実際にはこの時点で芽生えかけてはおり、台詞からかすかな戸惑いなんかを感じられてキュンときますよ。向こうから抱いて良いかと言い出したくせに抱き方がぎこちないのも萌えます。
この場面に限らず、感情が生まれたての赤子状態だからこそのピュアな恋愛模様が魅力的に描かれていました。普通の人間だったらよほど幼い設定にしないと成立しないような無垢っぷりで、それを違和感なく成立させる設定が上手いと思います。
狭い駕籠に二人詰め込まれる展開もすごく良かったです。オチまで含めて、全乙女ゲームの全キャラで同じシチュエーションを見たいくらい。
源十郎があまりに清廉なので、いわゆる糖度はそれほど高くない印象でしたが(キスはあります)個人的にはそれで十分と感じました。

次に、主人公の紗乃(すずのと読むんですね。プレイするまでずっとさのだと思ってました)について。主人公がどんな子かはやはり気になる方も多いかと思いますが、とてもいい子でした。
明るいけど出しゃばりすぎず、極端に足手まといになることもなく、恋愛面でも初心ながら適度に積極性があり、非常にバランスのいい造形です。
攻略対象を差し置いて人気が出るタイプではないけれど好感が持てる、物語を楽しむ邪魔をしないことに特化したタイプの良主人公だと思いました。

 

また、ハッピーエンドを見るためには敢えて好感度の下がる選択肢を選ばなければならないのはなかなか面白かったです。
そのせいで見たくもないバッドエンドを見てしまい心に相当なダメージを負いましたが!
乙女ゲームのバッドエンドは「主人公への愛が行きすぎて監禁」までが私に受け入れられる限度ですね・・・。
私がプレイした中ではバスタフェのバッドエンドに近い、マジで陰惨なやつでした。これで萌えられる人はなかなか心が強いと思います。
ハッピーエンドに向かう気満々で進めていてあれ?これバッドエンド??ってなったときの動悸といったら。
時アポはバッドエンドに向かう選択肢を選ぶと親切に演出で教えてくれるので、避けやすくて嬉しかったですね・・・。バッドエンドは心がよっぽど元気なときしか見たくないので。
でも、乙女ゲーマーというものはできるだけ好感度を上げよう、下げないようにしようと考えてしまうものなので、それを逆手に取った仕掛けは面白くて好きです。
つまり・・・この点においてはプラマイゼロってことで。

 

今回、堅物キャラが好きというだけの理由で源十郎ルートに入りましたが、彼のルートは「心を持たない存在との恋」というテーマもわかりやすく表現されていたし、恐らく物語の核心からは遠いので、一周目としては最適だったかもしれません。(心にダメージは負いましたが!)

とりあえず、これで源十郎ルートの感想は以上です。
源十郎ルートを終えて、共に行動することが多かった与市のキャラにもかなり好感が持てました。
常に怠そうにしているけどなんだかんだ優しい子で、仲間に対する洞察力の鋭さも魅力です。遙か7の大和が好きな方なら好きだと思います。
攻略制限がなければ次に攻略したいですね。
制限がかかっているキャラが二人いるらしく、見た感じ智成はいかにも制限されてそうですが、もう一人は全く予想がつきません。