乙女ゲームおたくの日記

主に乙女ゲームの感想を書きます。

caligula2 中間感想 オタクは高校生に期待しすぎてる

6/24にフリューより発売されました『caligula2』。
前作は未プレイですが、ファミ通の記事を読んでからずっと気になっておりました。
魅力的なキャラデザと、学園ジュブナイルRPGというジャンルに惹かれたからです。
私は高校時代ペルソナ3にドハマりし、毎日毎日飽きもせず遊んでいた思い出がありまして、あのときの感覚をもう一度味わえるかも…と思ったのです。
フリューといえばイケメンシリーズくらいしか知らなかったので、面白いかどうかは賭けかなと思いながら買ったのですが…勝ちました!
めちゃくちゃ楽しいです、このゲーム。時間を忘れて遊んでしまっています。

まだ五章の途中で、仲間は全員そろったもののシナリオ的にはまだまだこれからというところでしょうか。
早いうちに一旦感想をまとめておこうと思います。
まずは良いと思った点を。

良い点

・タイミング調整バトルが楽しい
予測映像を見ながら、技を繰り出すタイミングを調節する独特の戦闘システムになっています。
攻撃範囲が広い技は敵が密集するタイミングを狙って放ったり、敵が出してくるであろう攻撃に対応したカウンター技をぶつけたり、仲間とのコンボが成立するように順序を意識したり。
アクションゲームだったらキャラを動かしながらリアルタイムで考えなければならないことを、今作では時間をかけてじっくり考えられるんですね。
アクションゲームが苦手な人でもアクションゲーム的な楽しさを味わえて面白いシステムだなと思います。
難易度はノーマルでプレイしていますが、ある程度考えて動かないと結構すぐピンチになります。
敵とのレベル差が開けば、何も考えずAボタン長押し(長押しで連打と同じ効果になって便利です)しててオッケーなんですけどね。
へっぽこゲーマーでも、苦にならない程度に頑張れば先に進めるほどよい難しさです。
今のところ最も苦戦したのは三章のコスモ野郎。自分なりに工夫を凝らした末に倒せてとても気持ちがよかったです。

・キャラがかわいい
私は乙女ゲーマーなので、やはり主に男性キャラに期待して買いました(予約もタペストリーの絵柄が小鳩・劉都・男主人公のアニメイトでしました)が、男子も女子も仲間になるキャラ全員が魅力的です。
小鳩先輩がなかなかの問題児で好き嫌い別れそうですが(私は好き)、他のメンバーはいい子揃いです。
五章時点でまだ謎が多く残っているキャラもいるため、今後印象が変わるかもしれませんが。

ただ、今作は「人生のやり直しを望んだ人々が架空の世界で理想の体や環境を手に入れて暮らしている」という設定のお話です。
つまり、仲間たちは高校生に見えても現実世界では違うかもしれないということ。
実際、言動からして男性陣は劉都くん以外は成人しているであろうことが伺えます。
女性陣は一人だけ実年齢ハッキリ教えてくれたけど後はまだわかりません。
上記の設定をまだよく理解してない時点で「一番高い買い物は?」と聞いたら二名に車と答えられてビビりました。
この設定、学園ジュブナイルというジャンル名だけを見て、戦う少年少女に萌えるつもりでプレイした人は少し戸惑うかもしれません。(私はそうでした)
でも、これはこれで面白い!と思いました。
オタク向け作品って「高校生」に期待しすぎなんですよね。自分もまさにそういう作品を好んで消費するオタクなのでなんだか恥ずかしいですが、特定の年齢のただの子どもを大人がよってたかってキラキラした存在として崇めすぎてる。なんでもかんでも高校生に担わせてる。そんな風潮に疑問を抱かないでもなかったので、今作の設定はなかなか面白いものに映りました。
理想を詰め込んだ「高校生」として差し出されたキャラかと思いきや、中身は高校生に夢を見る大人で、そこはプレイヤーたちと同じ…というのが。私が類似する作品を見たことがないので、画期的に感じました。
姿は嘘でも、彼らがお互いに見せる優しさや愛らしさに嘘はないわけで、リドゥでの彼らの青春もまた真実なんですよね。

青春に規定はない
青春に限度もない
Password is 0 (モーニング娘。'14)

(突然の歌詞引用)
まさにこれなんですよね。

あと、公式サイトで見られる画面で「○○の心の奥に踏み込みますか?」というのがあるじゃないですか。実際にあの演出を見たときは唐突なホラー風味に恐ろしくなって一体どんな重い秘密が…と身構えてしまったのですが、今のところ、ささらさんと鐘太くんの見せてくれた「心の奥」は脅かすほどでもないじゃんと思いました。いや鐘太くんのは本人がトラウマになるのはわかりますが、予想の範囲内でした。ささらさんのはある意味範囲外でした。

今のところ一番好きなキャラは劉都くん。こましゃくれた可愛い男の子です。
…唯一のガチ少年(推定)だから好きみたいで我ながらキモいな。
文化祭でお化け屋敷に連れてったときの台詞群が特によかったです。主人公が怖がる選択肢を選ぶと呆れながらも自分の後についてこいと言ってくれるし、豊富な知識をいちいち披露しちゃうのが可愛いし、なんだかんだ言って楽しそうだし、部長と話せてよかったと最後に言ってくれるし可愛いの塊でした。
おばけ屋敷は誰と行っても面白いので直前セーブ必須。吟や鐘太くんの怖がりようも可愛いし小鳩先輩はギラギラしすぎて怖面白いです。
(女たらしキャラって主人公の性別によって差分を用意するのが大変そうですよね。ゲームによっては女主人公でも男扱いされているように感じますがこのゲームではそんなことはなく、不自然でない差分が用意されています。小鳩先輩もちゃんと(?)ナンパしてくれます)

・音楽とゲームのコラボが面白い
ラスボスっぽい少女型歌唱ドールに楽曲を提供する「楽士」が八人おり、各章のボスとなっています。
それぞれの楽士が作ったという設定の曲を、実際に異なる作曲家が作っているというのが面白いです。
私は音楽に詳しくないので知らない方ばかりでしたが、各ダンジョンの雰囲気に合うキャッチーな楽曲が揃っています。今のところココアちゃんの曲が一番好きです。
歌詞を見てみると、各楽士の悩みや恐れがくっきり表れているのも面白くていいですね。
歌詞からして恋人にこっぴどく裏切られでもしたのかと思ったパンドラさんが、ただの推しアイドルがやらかしたオタクだったのは笑った。
ココアちゃんも今のところ明らかにはなっていませんが、おそらく現実では三十がらみの婚活女子といったところでしょう。
このゲーム、いい意味で俗っぽいというか、悩みや苦しみが地に足ついた表現でなされてるのがいいなと思います。

次に良くないと思った点を。

良くない点

・クエストがだるい
名前つきのモブキャラが大量にいまして、それぞれクエストを依頼してきます。
このモブキャラたち、グラフィックや台詞は使い回しで見分けられない上に、一部を除いてマップ上を自由に動き回ります。
結果、私にこれを依頼した○○さんはいったいどこにいるんだ!?となることがしょっちゅう。
お使いを頼まれても、「会えたら渡すわ」って感じになります。ある意味リアル?
メニュー画面から誰のどのクエストを受注中か確認できますが、なにぶん人数が多すぎて画面の中から探し出すのに一苦労です。
エストの内容がすごく面白いわけでもないので、ちょっとだるいなと感じてますね。

・曲に飽きる
ダンジョン内では楽士の曲がエンドレス再生されます。
ボーカル曲として作られているものってBGMにするにはカロリーが高いので、攻略に時間がかかるとどうしてもだんだんうんざりしてきます。
全体的にボカロっぽいくどさがあるのでなおさら。
逆に言うとかなり耳に残るので、時間が経つとまた聞きたくなっていたりします。


とりあえずの感想は以上です!
現代ものRPGが好きな人なら間違いなく買いだと思います。