乙女ゲームおたくの日記

主に乙女ゲームの感想を書きます。

歪みの国のアリス感想 疲れた大人にも意外とおすすめ

スプラトゥーン3が楽しすぎて、ただでさえ遅い更新がさらに遅くなってしまいました。
3で初めてスプラやり始めたのでまだ初心者に毛が生えた程度ですが、毎日のように時間を忘れて遊んでいます。
先のフェスではヒマつぶし派の面汚しを頑張りました。何回やっても道具派とばかり当たり、トリカラ以外で食料派の姿を見ることはついぞありませんでした。人数がかなり偏っていたようです。
キャラ的にはウツホちゃんが一番好きなのですが、なんせ私にとっては初めてのフェスなのでキャラで選ぶという発想がありませんでした。次はお題が何だったとしてもウツホちゃんの陣営に投票しようかな。
さて、スプラの話はこれで終わりにして、最近プレイした懐かしの名作ノベルゲームの感想に移ります。

ナイトメア・プロジェクトによって2006年にリリースされた携帯用ゲーム『歪みの国のアリス』がなんと2022年になってswitchに移植されました。
2015年にはスマホ版が出ていたようですが、さらに7年も経ってからswitch版もということで『歪アリ』人気の根強さがうかがえます。

歪アリを知った当時、私は中学生でした。牧場物語などの、恋愛要素がある一般ゲームの二次創作サイトを漁っているうちに自然と歪アリの情報にも行き着いたんだったかな。
携帯は持っていましたが有料コンテンツを遊ぶとなると親に相談せねばならず、それが恥ずかしいからという理由で全部ネタバレを見て済ませました。とんだ不届き物です。
今回移植版が出たことで、十数年越しにお金を払って実際に遊ぶことができたというわけですね。

ネタバレですが内容としては、過酷な家庭環境で育った主人公がかつて現実逃避のために生み出したイマジナリーフレンドが、辛い現実から主人公を救いだす(≒殺す)ために追ってくる話という感じです。
ウサギも猫も女王も、歪みの国の住人たちはみんな主人公を愛しているので、ホラーゲームでありながら存分に愛され体験ができます。愛ゆえに捕食しようとしてきたり、愛ゆえに首を刈ろうとしてきたりはしますけど。
童話をグロテスクにアレンジする作品自体は他にもありますが、なんだかんだオシャレにまとめているものが多いところ歪アリはひと味違うというか、どうやっても絵的に美しくはならない珍奇な世界を体験できます。

大まかな内容は知ってしまっている状態での初プレイでしたが、十分に楽しむことができ、一日で一気に終わらせてしまいました。
集中力が年々落ちる一方で大好きなはずの乙女ゲームすら遅々として進まなくなっている私ですが、歪アリには平穏な日常パート的なものが全く存在せず、常に異常事態が発生し続けるので先が気になってプレイする手が止まりません。
内容的には十代の少女特化かもしれませんが、そういう意味ではいい歳した大人にも意外とおすすめできる作品だと思いますね。

システム面はほぼ普通のノベルゲームという感じでしたが、フローチャート機能がとても便利でした。現在地も一目でわかるし、いつでも好きな部分から始められます。ストレスフリー。
選択肢によって一時的に分岐する部分が多いのですが、どのルートを通ってもちゃんと面白いことが起こるのがすごい。
乙女ゲームの選択肢は好感度調整のためだけのものになりがちで、どちらを選んでも直後の展開は変わらないことが多いので、乙女ゲームに慣れた身には新鮮でした。

本作の特筆すべき魅力はやはりキャラクターです。
どいつもこいつも奇妙なビジュアル、奇妙な性格ですが、歪みの国の真相を知るうちに旧友のような慕わしさ愛おしさが湧いてきます。
特に主人公の相棒となるチェシャ猫は非常に強い存在感を放っています。
忠実な案内人として振る舞いながらも絶妙にトボけたうさんくささがあって信頼しきれない、なのに本人はどのルートどのエンドでも本当に主人公のことを想っているというのはずるいですよね。ヒトガタの終わり方が切なくて好きです。

以上、歪アリの感想でした。当時の人気も納得の面白さで、実際に遊べてよかったです。
内容が濃密ですがプレイ時間は短め(一般的なフルプライス乙女ゲームと比較して)なので、他の乙女ゲームをプレイする合間の箸休めにもおすすめですよ。