乙女ゲームおたくの日記

主に乙女ゲームの感想を書きます。

久しぶりのブログ更新!名作インディーズゲーム『アルカディアフォールン』の感想

ブログの更新がすっっっごく久しぶりになってしまいました。
ずっと元気だしずっと乙女ゲームが大好きなのですが、スプラトゥーンのみならずApexにもハマってしまったことで感想まで書く時間を全然作れず・・・。

 

久しぶりの記事として、海外の名作インディーズゲームアルカディアフォールン』の感想を書いていこうと思います。
(D3Pの新作『DesperaDrops』もかなりの良作だったのですが、感想は今度時間がとれたら書きますね)
ジャンルは、恋愛要素を含む北欧風ファンタジーノベルゲーム(パズルもあるよ!)って感じです。
魔法や妖精、悪魔が存在する世界で、主人公の錬金術師がひょんなことから大捕物に巻き込まれ、仲間たちと力を合わせてがんばるぞ~!というようなストーリーですね。
主人公の性別は選択可能で、恋愛できるのは女性キャラ2人と男性キャラ2人の計4人。どちらの性別でもすべてのキャラと恋愛できます。
この4人がみんな魅力的!それぞれが主人公級のバックグラウンドを持っており、表情豊かな立ち絵、声優さんのいきいきとした演技(英語のみですが)で彩られています。
特に老獪でミステリアスな野良メイジのマイケルがもう最高でした。
乙女ゲームとして楽しめるのでは?という予想は大当たりで、マイケルとの恋愛シーンはめちゃくちゃ萌えました。ボリューム的にはそれほどでもありませんが、メインストーリーの盛り上がりに連動して自然に燃え上がる恋愛模様を存分に楽しめました。
状況がシリアスなので吊り橋効果感は否めませんが、私はそういうの大好きです!

恋愛要素を抜きにしてもストーリーの質は高く、飽きさせない展開でした。設定が少々複雑ですが説明の入れ方に無理がなくて、面白いファンタジー小説を読んでる感覚でした。

 

海外ゲームですが日本語訳の質はわりと安定しており(たまに不自然に敬語になったりはしましたが)読みやすく、仲間同士の軽快な掛け合いや恋愛シーンの甘いセリフがほぼ違和感なく訳されていると思います。翻訳小説らしいオシャレな言い回しも見所です。
主人公の口調は男女共通と思われますが「~~だよ」「~~だね」というニュートラルな口調なので、男性主人公のセリフがそのまま流用されてるような、男女選択可能ゲームでたまにある寂しい感覚を味わうこともありません。

以下に簡単なキャラ別感想を書いていきます。一周しただけで、恋愛もマイケル以外とはしてないです。(股がけ可能らしいですが、できてもやらないのが私です)


マイム
主人公の命を救うために主人公に取り憑いて(?)剥がれなくなってしまった妖精の女の子。作品のマスコット的存在であり、恋愛対象ではないです。ちょっと残念。
彼女と融合してしまったことがきっかけで主人公は様々な苦労に見舞われることになります。
しかしマイムちゃんはとても優しく天真爛漫でチャーミングな憎めない子です。超かわいいです。
私がたどり着いたエンディングでは、結局彼女との結合状態を解消できなかったのですが、選択肢次第では可能なんですかね?

ヴィクトリア
無愛想で厳格な、秩序を守る騎士。
元は悪魔を狩るハンターでしたが放逐されてしまい、自分を拾って騎士にしてくれた上司に深く恩義を感じています。
最初は主人公やマイムのことをあくまで監視対象と思って厳しく接しますが、徐々に氷解し、仲間思いなところや融通のきくところを見せてくれるようになります。
デレても基本的に堂々としていて、弱くなっちゃうわけではないのが良い!
忠義キャラなので、尊敬する上司から賜った任務と仲間への情の板挟みに苦しんだりもします。
そこで法が全てという彼女の考えを肯定するか、法より大事なものもあると諭すかで彼女の運命を左右できるみたいですね。前者を選んでしまうと多分・・・よくないことが起きます。
主人公の師匠とヴィクトリアの上司がかつて恋仲だったという熱い設定があるので、ヴィクトリアと恋愛関係になったら師弟は争えずみたいななんかエモい感じになるでしょうね。
師匠と上司がいわゆる百合なので、彼女との恋愛も女主人公で臨みたいです。

マイケル
うさんくさい笑顔を常に浮かべた老獪なメイジ(魔法使い)。最萌えキャラです!
この世界ではアカデミーに所属する人以外が魔法を使うと違法なのですが、マイケルはそうした規律を嫌う流浪の野良メイジです。
ある理由で世界を悲観しているものの、正義への憧れが心の奥底にくすぶっているような・・・そんな男でしてね。

柔和な笑顔の裏には大きな絶望とかすかな渇望がね・・・ね。そういうキャラ大好きなんですよ私は!!
性格も体制へのスタンスも正反対なヴィクトリアとの掛け合いは面白かったですね。
彼の正義への憧れを焚きつけるか、彼が背負うべきことじゃないと慰めるかで彼の運命を左右できると思われます。

恋愛モードでは基本的に余裕綽々でアプローチしてきますが、主人公は選択肢次第で彼に翻弄されるウブな乙女にも、素直になれないツンデレにも、逆に魅了し返すような小悪魔にもなれます。
選択次第ではペースを乱されて赤面するマイケルも見られたりして、本人がそう見せたがっているほど余裕ではないのが萌えます。精一杯かっこつけてるんですね。
ていうか声がいい。吐息混じりの低温ボイスが色気たっぷりで、英語だからよく聞き取れないのに聞き入ってしまいます。控えめに言って最高です。出会えてよかった。

アン
マッドサイエンティスト手前の天才メイジ。
この世界の人々はメイジの力を必要としながらメイジを差別しているのですが(理不尽だけどありそうな話ですよね)アンもメイジであることが理由で苦しめられた過去があります。そのため、何にも邪魔されず魔法を学べるアカデミーに強くこだわっています。
卒業後も教授として居座るために偉大な研究を欲しており、主人公のことを興味深い実験体と思って仲間入りする暴走理系女子です。
アカデミーの外の世界なんてどうでもいい、画期的な研究ができれば悪用されようとも知らないという彼女に賛同するかしないかで彼女の運命を左右できるみたいです。

マイケルもですが、アンも人気が高そうなキャラですよね。私も好きです。
奇矯で偏屈なように見えて心根は友人思いで繊細で、それゆえに自分を守るために周囲に無関心でいようと努めている・・・そんな感じがしました。警戒心の強い猫ちゃんのイメージです。
声優さんの演技も、自分の得意分野になるとハイテンション早口になる感じがいかにもでかわいらしいです。
アカデミーでの友人クインとの関係にはグッとくるものがありました。クインにちょっと嫉妬しちゃう。でもクインも好き!心優しく芯が強い、私の理想のヒロインタイプなんですよ何気に。

ケイダン
灰色の肌を持ち、洞窟で暮らす異種族の青年。彼らはこの世界で「アウトランダー」と呼ばれ、これまた差別されています。
彼は世界を危機から救う英雄になることを目的に(口実に)ひとり家出をします。その結果、悪者に騙されて捕らえられてしまったところを、主人公たちが救うという形で出会います。
プレイする前、見た目だけで冷徹そうなキャラだと想像していましたが実際はいたって穏やかで内省的な性格でした。
正直つかみづらいキャラだな~と思っていたのですが、アンが彼を「クラゲみたい」と形容するのを聞いて、クラゲなら仕方ないな!と納得しました。
芯はない代わりに柔軟で、静かで、何にも強くは当たらない・・・それがケイダンの個性なんですね。癒やし系というか。
他キャラとケイダンの掛け合いは特に心温まるものが多かったです。
彼は、自分の過ちで故郷に迷惑をかけてしまった負い目もあってか、しばしば自己犠牲的な行動も見せます。なんとも放っておけない感じのする純朴お兄ちゃんです。
故郷に帰って償うか、故郷を忘れて自由に生きるかを勧めることで彼の運命を左右できるようです。この二択が正直一番迷った。
マイムちゃんと一緒に花冠たくさん作ってる(作らされてる)シーンかわいすぎでした。
二週目以降は設定で花冠を自由にオンオフできる仕様が遊び心あふれてて、インディーズゲームらしくてすごくよかったです。

 

キャラ紹介は以上です。

一週のプレイ時間は私の場合ちょうど3時間くらいでした。
基本的には一本道と思われますが選択肢が豊富にあるので、遊び尽くそうと思うとけっこう時間がかかるかも!

パズルモードは進行上スルー可能なものも、スルー不可のものもあるのですが、スルー不可のものはそれほど難しくなかったです。
回避可能な方は終盤けっこう難しくて、普通にコンプ断念しました。
特定の絵柄を隣り合わせた瞬間失敗判定で、最初からやり直しになってしまうルールがきついです。アンドゥ機能ちょうだい!と何度も思いました。

 

アルカディアフォールンでTwitter検索してみると『冠を持つ神の手』が好きな人におすすめ!と書いてる方が複数いました。
それほど似てるかな?とも思ったのですが、ゲーム性の核が「人間関係」にあるところや、主人公の選択次第でキャラクターたちの運命が良くも悪くも変わるという点は共通するかもしれませんね。
おそらく選択肢次第で、仲間一人が別の仲間に殺害(処刑)されたりします。
でも私は乙女ゲームのバッドエンド見ない派だし『かもかて』でも愛情と友情エンドしか見ない人間だったので、本作においても良い方向に進みそうな選択肢しか選べませんでした。
実際、全員が幸せそうな大団円で終えられました。これで私のアルカディアフォールンは終わりです。
これでいいのか?せっかくの重厚なゲームを味わえないで・・・という思いもありますが、用意されてるからってだけでアンハッピーな展開を読みたくはないんだ私は!
選択肢がたくさんあるゲームのメリットとして「いろんな展開が見られる」というのはもちろんあると思いますが、自分の好きな選択肢だけを選んで自分だけの最高のストーリーを一本作れるというのもあると思うんですよ。
だから全ての選択肢を見ようとしなくても、豊富な選択肢の恩恵を受けることは可能なんですね。(という言い訳です)

 

結論として、アルカディアフォールンは愛らしいキャラと熱いストーリーと多彩な選択肢を楽しめる名作ゲームだったという話です。
大作RPGのストーリー部分だけつまんでるような感覚なので、時間があまりないけどそういうのが好きな人にもおすすめかもしれません。一般ゲームの恋愛要素に目がない方にもおすすめです。

 

余談なんですが、今のはてなブログってAIに自動でタイトル生成してもらえるんですね。さっそく使ってみて、出てきたタイトルの一つを採用しました。

一部不自然なのもあるけど、おおむねちゃんと内容を反映したタイトルがでてくるのがすごいと思いました。おもしろいなー。