乙女ゲームおたくの日記

主に乙女ゲームの感想を書きます。

ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~ 感想①

9月17日に発売された『ビルシャナ戦姫~源平飛花夢想~』の弁慶ルートと教経ルートをクリアしました!
キュピパラもまだ途中だしハイカラもあるし・・・昔ほどではないにしても、オトメイトの発売ペースは速いですね。プレイが追いつきません。
正直、オトメイトに対しては(石が多めの)玉石混淆の印象がありますが、キュピパラとビルシャナは今のところけっこう楽しめています。
(ハイカラは買ってからまだ手を付けてませんが、評判が悪すぎて一周回って楽しみです)
キャラ別感想は別の記事に書くとして、まずは二人の攻略を終えてみての今作に対する雑感を書いていこうと思います。
ちなみに同じREDの歴史戦記ものである『十三支演義』は未プレイなので、比較しての評価はできません。

概要

主人公は源義経。源氏の御曹司として生まれ、ごく一部の近しい人間以外には女性であることを隠して育てられたという設定です。
栄華を極めておごり高ぶる平家に対して、反乱の機運を高める源氏。主人公は人並み外れた武芸の才を持ちながら争うことを好みませんが、運命に抗えず戦いに身を投じることになります。
攻略対象は幼なじみ・春玄、忠実な従者・武蔵坊弁慶、平家の猛将・平教経、平家の総大将・平知盛、兄・源頼朝の五人。その他サブキャラ四人にもエンドが用意されています。
公式のおすすめ攻略順は教経→弁慶→春玄→頼朝→知盛で、頼朝と知盛は二週目以降でしか攻略できないようです。
私は弁慶→教経の順で攻略していますが、確かに一週目は教経にしておいた方が良かったなと思います。おそらく真相的なものから最も遠い内容だと思うので。

共通ルート感想

浮ついたところの少ない、真面目な歴史もの乙女ゲームといった感じです。かといって歴史描写に時間を割きすぎることもないので、私のような歴史に全く興味がない人間でもそう退屈はしません。
発売前のSweet Princessに載ってた伊東Dへのインタビューでも、歴史が苦手な人でも楽しめます!というのをアピールしたがっている感じがしたので、そのあたりは苦心されたのかなと思います。

物語開始早々歴史が動き出し、不穏な空気がたちこめ出すので、シナリオの大半はシリアスです。
ただ、主人公と行動を共にする仲間たち(春玄、弁慶、佐藤継信佐藤忠信佐々木高綱)がみんな主人公大好きで、本格的な戦に突入する前のつかの間の平穏パートではかなりちやほやされます。そこが数少ない浮つきポイントですね。

(佐藤兄弟と高綱は主人公が女性であることを知らないはずなのですが。男子校の美少年を姫扱いするようなノリなんでしょうかね)

公式サイトで見られるプレイムービー「鎌倉での一時」でその様子を見ることができます。

ですがこんな感じなのは実際ほんの一時だけなので、ここだけ見て「終始このノリなのかな・・・」と購入を控えたりするのはもったいないと思います。

 

主人公の遮那王(義経)は、戦闘時は凜々しく毅然としていますが、通常時は穏やかで優しい性質が目立ちます。自分の意思と関係なく戦いに巻き込まれることに戸惑ったり、肉親の愛情に飢えていて会ったこともない兄を慕ったりと、幼気な少女としての側面が印象的です。

しかし武芸の鍛錬は幼い頃から欠かしたことがなく、腕に自信もあり、戦闘時の態度は勇ましいものです。そして実際に強い。

このアンバランスさが今作主人公の魅力でしょうか。ただ、リーダーらしい威厳は感じられないので、魅力的な人間ではあっても魅力的な主人ではないと思います。弁慶ルートをプレイしてみてそこは少し残念でした。

総合して、個人的には可もなく不可もない主人公です。

システム

キュピパラもそうでしたが、オートモード中にAボタンで文章送りができないのは地味に不便です。基本オートモードでながら見しつつ、気が向いたときだけボタンを押して速く読み進めたいのですが、そのためにはオートを一度解除しないといけません。
スキップは最速にしても遅いですが、「次の選択肢、もしくは未読箇所、章の終了箇所までスキップ」できる機能があり、そんなに時間がかからないので便利に使えます。

 

選択肢を選ぶと、その選択によって誰の好感度が上がったかが五色の花で表示されるのですが、どの色が誰を指すのかがわかりにくいです。
「情報」画面の名前の色と対応しているようですが、知盛と教経以外はキャラデザから予測不可能です。
また、好感度に加えて「武」「知」「優」の三つのパラメータが存在し、これも選択肢によって変動します。
どれかが低すぎたり、高すぎたりするとバッドエンド行きです。
誰を攻略するのにどのパラメータが必要なのかヒントがなく、バッドエンドになってもどのパラメータのせいでそうなったのかがわからないので、ちょっと難しいです。二週目以降は、任意の章から任意のパラメータで始められる便利機能が使えるので、数回トライ&エラーすれば切り抜けられるのですが。バッドエンド見たくない派の自分はちょっと心が折れそうになりました。
それに、わがままですが、再三パラメータいじった末にハッピーエンドにたどり着けてもちょっと虚しい気がするというか・・・。
ただ、多くの乙女ゲームでは悲恋エンドは好感度が足りなかった場合に行き着くものですが、それはそれで腑に落ちないというか、愛が足りなかったから悲恋になったの?と疑問に思ってしまうんですよね。
ビルシャナのように好感度以外のパラメータを採用すると、愛し合っているのに・・・的な悲劇を演出できるので、そこはいいと思います。
攻略のしやすさと奥行きのあるシナリオ分岐って両立は難しいよなあと思いました。わがままぬるゲーマーですまない。

主人公の名前ですが、幼名「遮那王」は固定で元服後の名前(デフォルトはもちろん義経)のみ変更可能という変わった仕様です。
遊郭もので主人公の源氏名が固定、本名のみ変更可能というのは見たことがありますが。(仲を深めてから初めて本名を明かします)
主人公にとって「遮那王」は親しみ深い自分の名前、「義経」は背負わなければならない源氏の宿命の象徴みたいなものだと思うので、どちらか変更可能にするなら幼名の方では?と思わないでもないです。

戦闘シーンの演出は結構こだわってる感じがしました。、立ち絵が目まぐるしく移動したり切り替わったり剣戟のエフェクトがかかったりして、キャラ同士が斬り合ってるように見えます。驚異的なスキップの遅さはおそらくこれのせいでしょうが。

 

個別ルートを抜きにしての感想はこんな感じです! 次の記事で弁慶、教経の感想を書こうと思います。