乙女ゲームおたくの日記

主に乙女ゲームの感想を書きます。

久しぶりのブログ更新!名作インディーズゲーム『アルカディアフォールン』の感想

ブログの更新がすっっっごく久しぶりになってしまいました。
ずっと元気だしずっと乙女ゲームが大好きなのですが、スプラトゥーンのみならずApexにもハマってしまったことで感想まで書く時間を全然作れず・・・。

 

久しぶりの記事として、海外の名作インディーズゲームアルカディアフォールン』の感想を書いていこうと思います。
(D3Pの新作『DesperaDrops』もかなりの良作だったのですが、感想は今度時間がとれたら書きますね)
ジャンルは、恋愛要素を含む北欧風ファンタジーノベルゲーム(パズルもあるよ!)って感じです。
魔法や妖精、悪魔が存在する世界で、主人公の錬金術師がひょんなことから大捕物に巻き込まれ、仲間たちと力を合わせてがんばるぞ~!というようなストーリーですね。
主人公の性別は選択可能で、恋愛できるのは女性キャラ2人と男性キャラ2人の計4人。どちらの性別でもすべてのキャラと恋愛できます。
この4人がみんな魅力的!それぞれが主人公級のバックグラウンドを持っており、表情豊かな立ち絵、声優さんのいきいきとした演技(英語のみですが)で彩られています。
特に老獪でミステリアスな野良メイジのマイケルがもう最高でした。
乙女ゲームとして楽しめるのでは?という予想は大当たりで、マイケルとの恋愛シーンはめちゃくちゃ萌えました。ボリューム的にはそれほどでもありませんが、メインストーリーの盛り上がりに連動して自然に燃え上がる恋愛模様を存分に楽しめました。
状況がシリアスなので吊り橋効果感は否めませんが、私はそういうの大好きです!

恋愛要素を抜きにしてもストーリーの質は高く、飽きさせない展開でした。設定が少々複雑ですが説明の入れ方に無理がなくて、面白いファンタジー小説を読んでる感覚でした。

 

海外ゲームですが日本語訳の質はわりと安定しており(たまに不自然に敬語になったりはしましたが)読みやすく、仲間同士の軽快な掛け合いや恋愛シーンの甘いセリフがほぼ違和感なく訳されていると思います。翻訳小説らしいオシャレな言い回しも見所です。
主人公の口調は男女共通と思われますが「~~だよ」「~~だね」というニュートラルな口調なので、男性主人公のセリフがそのまま流用されてるような、男女選択可能ゲームでたまにある寂しい感覚を味わうこともありません。

以下に簡単なキャラ別感想を書いていきます。一周しただけで、恋愛もマイケル以外とはしてないです。(股がけ可能らしいですが、できてもやらないのが私です)


マイム
主人公の命を救うために主人公に取り憑いて(?)剥がれなくなってしまった妖精の女の子。作品のマスコット的存在であり、恋愛対象ではないです。ちょっと残念。
彼女と融合してしまったことがきっかけで主人公は様々な苦労に見舞われることになります。
しかしマイムちゃんはとても優しく天真爛漫でチャーミングな憎めない子です。超かわいいです。
私がたどり着いたエンディングでは、結局彼女との結合状態を解消できなかったのですが、選択肢次第では可能なんですかね?

ヴィクトリア
無愛想で厳格な、秩序を守る騎士。
元は悪魔を狩るハンターでしたが放逐されてしまい、自分を拾って騎士にしてくれた上司に深く恩義を感じています。
最初は主人公やマイムのことをあくまで監視対象と思って厳しく接しますが、徐々に氷解し、仲間思いなところや融通のきくところを見せてくれるようになります。
デレても基本的に堂々としていて、弱くなっちゃうわけではないのが良い!
忠義キャラなので、尊敬する上司から賜った任務と仲間への情の板挟みに苦しんだりもします。
そこで法が全てという彼女の考えを肯定するか、法より大事なものもあると諭すかで彼女の運命を左右できるみたいですね。前者を選んでしまうと多分・・・よくないことが起きます。
主人公の師匠とヴィクトリアの上司がかつて恋仲だったという熱い設定があるので、ヴィクトリアと恋愛関係になったら師弟は争えずみたいななんかエモい感じになるでしょうね。
師匠と上司がいわゆる百合なので、彼女との恋愛も女主人公で臨みたいです。

マイケル
うさんくさい笑顔を常に浮かべた老獪なメイジ(魔法使い)。最萌えキャラです!
この世界ではアカデミーに所属する人以外が魔法を使うと違法なのですが、マイケルはそうした規律を嫌う流浪の野良メイジです。
ある理由で世界を悲観しているものの、正義への憧れが心の奥底にくすぶっているような・・・そんな男でしてね。

柔和な笑顔の裏には大きな絶望とかすかな渇望がね・・・ね。そういうキャラ大好きなんですよ私は!!
性格も体制へのスタンスも正反対なヴィクトリアとの掛け合いは面白かったですね。
彼の正義への憧れを焚きつけるか、彼が背負うべきことじゃないと慰めるかで彼の運命を左右できると思われます。

恋愛モードでは基本的に余裕綽々でアプローチしてきますが、主人公は選択肢次第で彼に翻弄されるウブな乙女にも、素直になれないツンデレにも、逆に魅了し返すような小悪魔にもなれます。
選択次第ではペースを乱されて赤面するマイケルも見られたりして、本人がそう見せたがっているほど余裕ではないのが萌えます。精一杯かっこつけてるんですね。
ていうか声がいい。吐息混じりの低温ボイスが色気たっぷりで、英語だからよく聞き取れないのに聞き入ってしまいます。控えめに言って最高です。出会えてよかった。

アン
マッドサイエンティスト手前の天才メイジ。
この世界の人々はメイジの力を必要としながらメイジを差別しているのですが(理不尽だけどありそうな話ですよね)アンもメイジであることが理由で苦しめられた過去があります。そのため、何にも邪魔されず魔法を学べるアカデミーに強くこだわっています。
卒業後も教授として居座るために偉大な研究を欲しており、主人公のことを興味深い実験体と思って仲間入りする暴走理系女子です。
アカデミーの外の世界なんてどうでもいい、画期的な研究ができれば悪用されようとも知らないという彼女に賛同するかしないかで彼女の運命を左右できるみたいです。

マイケルもですが、アンも人気が高そうなキャラですよね。私も好きです。
奇矯で偏屈なように見えて心根は友人思いで繊細で、それゆえに自分を守るために周囲に無関心でいようと努めている・・・そんな感じがしました。警戒心の強い猫ちゃんのイメージです。
声優さんの演技も、自分の得意分野になるとハイテンション早口になる感じがいかにもでかわいらしいです。
アカデミーでの友人クインとの関係にはグッとくるものがありました。クインにちょっと嫉妬しちゃう。でもクインも好き!心優しく芯が強い、私の理想のヒロインタイプなんですよ何気に。

ケイダン
灰色の肌を持ち、洞窟で暮らす異種族の青年。彼らはこの世界で「アウトランダー」と呼ばれ、これまた差別されています。
彼は世界を危機から救う英雄になることを目的に(口実に)ひとり家出をします。その結果、悪者に騙されて捕らえられてしまったところを、主人公たちが救うという形で出会います。
プレイする前、見た目だけで冷徹そうなキャラだと想像していましたが実際はいたって穏やかで内省的な性格でした。
正直つかみづらいキャラだな~と思っていたのですが、アンが彼を「クラゲみたい」と形容するのを聞いて、クラゲなら仕方ないな!と納得しました。
芯はない代わりに柔軟で、静かで、何にも強くは当たらない・・・それがケイダンの個性なんですね。癒やし系というか。
他キャラとケイダンの掛け合いは特に心温まるものが多かったです。
彼は、自分の過ちで故郷に迷惑をかけてしまった負い目もあってか、しばしば自己犠牲的な行動も見せます。なんとも放っておけない感じのする純朴お兄ちゃんです。
故郷に帰って償うか、故郷を忘れて自由に生きるかを勧めることで彼の運命を左右できるようです。この二択が正直一番迷った。
マイムちゃんと一緒に花冠たくさん作ってる(作らされてる)シーンかわいすぎでした。
二週目以降は設定で花冠を自由にオンオフできる仕様が遊び心あふれてて、インディーズゲームらしくてすごくよかったです。

 

キャラ紹介は以上です。

一週のプレイ時間は私の場合ちょうど3時間くらいでした。
基本的には一本道と思われますが選択肢が豊富にあるので、遊び尽くそうと思うとけっこう時間がかかるかも!

パズルモードは進行上スルー可能なものも、スルー不可のものもあるのですが、スルー不可のものはそれほど難しくなかったです。
回避可能な方は終盤けっこう難しくて、普通にコンプ断念しました。
特定の絵柄を隣り合わせた瞬間失敗判定で、最初からやり直しになってしまうルールがきついです。アンドゥ機能ちょうだい!と何度も思いました。

 

アルカディアフォールンでTwitter検索してみると『冠を持つ神の手』が好きな人におすすめ!と書いてる方が複数いました。
それほど似てるかな?とも思ったのですが、ゲーム性の核が「人間関係」にあるところや、主人公の選択次第でキャラクターたちの運命が良くも悪くも変わるという点は共通するかもしれませんね。
おそらく選択肢次第で、仲間一人が別の仲間に殺害(処刑)されたりします。
でも私は乙女ゲームのバッドエンド見ない派だし『かもかて』でも愛情と友情エンドしか見ない人間だったので、本作においても良い方向に進みそうな選択肢しか選べませんでした。
実際、全員が幸せそうな大団円で終えられました。これで私のアルカディアフォールンは終わりです。
これでいいのか?せっかくの重厚なゲームを味わえないで・・・という思いもありますが、用意されてるからってだけでアンハッピーな展開を読みたくはないんだ私は!
選択肢がたくさんあるゲームのメリットとして「いろんな展開が見られる」というのはもちろんあると思いますが、自分の好きな選択肢だけを選んで自分だけの最高のストーリーを一本作れるというのもあると思うんですよ。
だから全ての選択肢を見ようとしなくても、豊富な選択肢の恩恵を受けることは可能なんですね。(という言い訳です)

 

結論として、アルカディアフォールンは愛らしいキャラと熱いストーリーと多彩な選択肢を楽しめる名作ゲームだったという話です。
大作RPGのストーリー部分だけつまんでるような感覚なので、時間があまりないけどそういうのが好きな人にもおすすめかもしれません。一般ゲームの恋愛要素に目がない方にもおすすめです。

 

余談なんですが、今のはてなブログってAIに自動でタイトル生成してもらえるんですね。さっそく使ってみて、出てきたタイトルの一つを採用しました。

一部不自然なのもあるけど、おおむねちゃんと内容を反映したタイトルがでてくるのがすごいと思いました。おもしろいなー。

 

 

歪みの国のアリス感想 疲れた大人にも意外とおすすめ

スプラトゥーン3が楽しすぎて、ただでさえ遅い更新がさらに遅くなってしまいました。
3で初めてスプラやり始めたのでまだ初心者に毛が生えた程度ですが、毎日のように時間を忘れて遊んでいます。
先のフェスではヒマつぶし派の面汚しを頑張りました。何回やっても道具派とばかり当たり、トリカラ以外で食料派の姿を見ることはついぞありませんでした。人数がかなり偏っていたようです。
キャラ的にはウツホちゃんが一番好きなのですが、なんせ私にとっては初めてのフェスなのでキャラで選ぶという発想がありませんでした。次はお題が何だったとしてもウツホちゃんの陣営に投票しようかな。
さて、スプラの話はこれで終わりにして、最近プレイした懐かしの名作ノベルゲームの感想に移ります。

ナイトメア・プロジェクトによって2006年にリリースされた携帯用ゲーム『歪みの国のアリス』がなんと2022年になってswitchに移植されました。
2015年にはスマホ版が出ていたようですが、さらに7年も経ってからswitch版もということで『歪アリ』人気の根強さがうかがえます。

歪アリを知った当時、私は中学生でした。牧場物語などの、恋愛要素がある一般ゲームの二次創作サイトを漁っているうちに自然と歪アリの情報にも行き着いたんだったかな。
携帯は持っていましたが有料コンテンツを遊ぶとなると親に相談せねばならず、それが恥ずかしいからという理由で全部ネタバレを見て済ませました。とんだ不届き物です。
今回移植版が出たことで、十数年越しにお金を払って実際に遊ぶことができたというわけですね。

ネタバレですが内容としては、過酷な家庭環境で育った主人公がかつて現実逃避のために生み出したイマジナリーフレンドが、辛い現実から主人公を救いだす(≒殺す)ために追ってくる話という感じです。
ウサギも猫も女王も、歪みの国の住人たちはみんな主人公を愛しているので、ホラーゲームでありながら存分に愛され体験ができます。愛ゆえに捕食しようとしてきたり、愛ゆえに首を刈ろうとしてきたりはしますけど。
童話をグロテスクにアレンジする作品自体は他にもありますが、なんだかんだオシャレにまとめているものが多いところ歪アリはひと味違うというか、どうやっても絵的に美しくはならない珍奇な世界を体験できます。

大まかな内容は知ってしまっている状態での初プレイでしたが、十分に楽しむことができ、一日で一気に終わらせてしまいました。
集中力が年々落ちる一方で大好きなはずの乙女ゲームすら遅々として進まなくなっている私ですが、歪アリには平穏な日常パート的なものが全く存在せず、常に異常事態が発生し続けるので先が気になってプレイする手が止まりません。
内容的には十代の少女特化かもしれませんが、そういう意味ではいい歳した大人にも意外とおすすめできる作品だと思いますね。

システム面はほぼ普通のノベルゲームという感じでしたが、フローチャート機能がとても便利でした。現在地も一目でわかるし、いつでも好きな部分から始められます。ストレスフリー。
選択肢によって一時的に分岐する部分が多いのですが、どのルートを通ってもちゃんと面白いことが起こるのがすごい。
乙女ゲームの選択肢は好感度調整のためだけのものになりがちで、どちらを選んでも直後の展開は変わらないことが多いので、乙女ゲームに慣れた身には新鮮でした。

本作の特筆すべき魅力はやはりキャラクターです。
どいつもこいつも奇妙なビジュアル、奇妙な性格ですが、歪みの国の真相を知るうちに旧友のような慕わしさ愛おしさが湧いてきます。
特に主人公の相棒となるチェシャ猫は非常に強い存在感を放っています。
忠実な案内人として振る舞いながらも絶妙にトボけたうさんくささがあって信頼しきれない、なのに本人はどのルートどのエンドでも本当に主人公のことを想っているというのはずるいですよね。ヒトガタの終わり方が切なくて好きです。

以上、歪アリの感想でした。当時の人気も納得の面白さで、実際に遊べてよかったです。
内容が濃密ですがプレイ時間は短め(一般的なフルプライス乙女ゲームと比較して)なので、他の乙女ゲームをプレイする合間の箸休めにもおすすめですよ。

even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女 感想② 今の時代らしい良作乙女ゲーム 

いま乙女ゲーム界隈で、オトメイト公式ファンクラブ終了決定のニュースが話題になっていますね。
以前、複数の主要スタッフが退職&別会社立ち上げしたというのもあって、いよいよオトメイト終了か?乙女ゲームの今後はどうなる?と不安になってしまいますね。
もう何年も前から、乙女ゲーム界の質量を支えているオトメイト。どうか末永く続いてほしいのですが。
サブスクという今風の集金システムに切り替えただけだと思いたいところですね。

 

さて、本題に入ります。
テンペスト魔女、バッドエンドを除いてクリアしました!!
いやー面白かった。いろんな意味で、今の時代ならではの乙女ゲームだなと思いました。
シナリオが緊迫感たっぷりでダレることなく面白い。ほぼ一本道のシナリオで後日談のみキャラ別という性質上、糖度低めとはいえ萌えも十~分にありました。特にルーシェン殿下が私の好みにクリーンヒットで最高でした。
ほぼ前編通してシリアスな今作ですが、笑える場面ではちゃんと笑えるので、緩急の付け方が巧みだったと思います。特にルーシェン殿下の初々しいラブコメっぷりが好きです。

前回の感想でWeb小説っぽいと言いましたが、シナリオを進めると異世界転移要素もあったりしてますますWeb小説的でした。文脈に慣れていないと少々戸惑うかもしれません。
でも作中で悪事を働く人物(コンラッド、エヴェリーナ、枢機卿など)が特に断罪されずに終わるのはWeb小説らしくない気がしました。悪人に容赦ない鉄槌でざまぁ、みたいなのが人気出るイメージなので(ロクに読んだこともないのに偏見がひどい)。
でも、おそらくそこが今作では重要なポイントなのでしょう。
人間は過ちを犯すが過ちをなくすために自由を奪うことは許されない、醜い欲も美しい愛も人間の本質である。みたいなのが主題なのかなと。だから断罪して一件落着、という終わり方をさせなかったのではないかと思います。
人と神が絡む話って大体そういう人間賛歌的なオチになるので、それをいかに説得力をもって描けるかが重要になってくると思います。その点テンペスト魔女は、主人公が文字通り命を懸けて敵に挑みながら、悪意に傷つき善意に癒やされ、最後は仲間と力を合わせて目的を達成する過程が丁寧に描かれているので「人間はいいものかしら」と思わせる説得力は十分だったと思います。

今作の最推しは予想通りルーシェン殿下。
主人公への思いが一途を通り越してキモいの域に入っているのを作中で指摘されていて笑いました。ちゃんとツッコミが入る風真くんって感じ。
繊細で泣き虫でヘタレで、冷静を装っているけど主人公が絡むと途端に我を忘れてその後しおらしく反省して。可愛いったらないですよ。永遠に成長しなくていいです。毒親か?
せっかく表情差分が豊富なのだからみっともない泣き顔も見せてほしかったですね(まだ言ってる)。
ティレル、クライオス、ゼンもそれぞれ非常に魅力的なキャラでした。みんな善良な人ですが状況によっては主人公と敵対することもあり、それがかえってキャラのブレない芯を引き立てていたと思います。
クライオスの「大切なものは大切にするだけでは守れない」という台詞が印象的でした。表面的な態度はともあれ、彼も常にアナスタシアのことを思ってくれましたよね。

あと、それなりの本数乙女ゲームをやっていて初めて出会いましたよ「悪役令嬢」。お目にかかれて光栄ですオーラ嬢。
オーラ嬢、善か悪かというと悪ではありますが、言うて魔女に唆されでもしない限り大した悪事を働けない無力な令嬢なので(言い方)憎いよりも哀れだという感情が勝ちました。
主人公を敵視しながら擦り寄って甘えてもくるのが憎みきれない。エヴェリーナの元に生まれなければ、ごく普通の天真爛漫な可愛い女の子だったかもしれませんね。

また、今作の大きな魅力の一つとして触れておきたいのが、立ち絵の表情が豊かであること。別の作品では「怒り顔」一種類で済ませそうなところでも、何種類もの差分が用意されていた気がします。
他キャラの台詞の合間合間でも表情が本当によく変わり、それが時には下手な台詞よりも雄弁だったりするのが面白い。特に、主人公が性的に奔放であるという嘘をオーラに吹き込まれてショックを受けたり悲しんだり心配したりするルーシェン殿下の百面相ぶりときたら。
乙女ゲームの主人公が、コロコロと変わる表情を褒められがちな理由がわかりました。目が離せないんですよね。他の作品は「音声だけ聞こえればいいや」とオートモードにして別の作業をしてしまうことがありますが、テンペスト魔女はこれがあるのでほぼオートモード使いませんでした。

プレイしていて少し気になったのは、誤字脱字の多さです。
文章そのものに違和感を抱くことは私はありませんでしたが、もう少し丁寧に推敲してほしかったです。声優さんのボイスと微妙に違う点も多く、地味に没入感を削がれました。
逆に言うと不満らしい不満はそれくらいで、普段乙女ゲームをやらない人にもおすすめしたいくらいエンタメとして出来のいい良作でした。

 

以上、『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』の感想でした!
この作品がどんどん売れて、ボルテージが次の作品もコンシューマで出してくれたりしたらすごく嬉しいな。すでにネット上では好評ですが、もっともっと話題になりますように。

 

even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女 感想① Web小説的ファンタジー世界でダンガンロンパ

6月9日にボルテージより発売された『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』。
私の中でボルテージと言えば『ダウト~嘘つきオトコは誰?~』を始めとしたスマホ向けゲームなのですが、ここにきてなぜかコンシューマーで新作を出してくれました。
コンシューマーメインで遊んでいる方にとっては「気になるけどボルテージって聞かないし、どんな内容なの?面白い?」とお思いかもしれません。
仇花の賞を途中まで進めた時点での感想なのですが……かなり面白い!
どんな内容なのかを私なりに大雑把に言うと、記事のタイトルにもしたとおり「Web小説風ファンタジー世界でダンガンロンパ」という感じです。

ファンタジーはファンタジーでも、技術や価値観はだいぶ現代に寄っているタイプのファンタジー世界です。登場人物の会話に「車」「電話」「ブロマイド」「ドM」といったモダンな単語が出てきますし、「医療行為だからセクハラと訴えるなよ」というような台詞もあったり。セクハラってだいぶ近年の概念ですよね。「死に戻り」という要素も含め、テンペスト世界はかなりWeb小説の系統を感じさせます。

そんな世界で、最も特徴的な存在が「魔女」。
魔女は「女」とはついているものの男とも女ともつかない邪悪な非人間的存在であるらしく、人々は魔女を恐れて神にすがり、神の威光を背負った王族を敬っています。
主人公のアナスタシアはなんだかんだあって(本当になんだかんだあって)魔女が主催する裁判に関与させられることになります。
魔女が主催する裁判とは、魔女が自分の選んだ人間に人智を超えた能力を与えて殺人を犯させ、裁判を開いて民衆に犯人当てをさせるという戯れのこと。

なんと悪趣味な……私そういうの大好き!
魔女はダンガンロンパでいうところのモノクマ的な存在ですね。

犯人は人智を超越した力を与えられており、さらに魔女の粋な計らい(?)で犯行に及んでいる間ほかの人間は眠らされているため、普通の推理モノで焦点になる「物理的に可能か」「人に見られずにできるか」という点については考慮しなくていいようです。なのでポイントになるのは「いかに動機のある人間をあぶり出すか」と「いかに民衆の心証を誘導するか」になるのかな。
さすがに人気推理ゲームと同等とは言えないまでも、裁判パートはよく作り込まれています。(『ダウト』も推理ゲームとしてかなり楽しかったことを思い出しました。スタッフさん被っているかは知りませんが)
裁判に臨むための証拠集めから始まり、裁判中も気を抜くとゲームオーバー直行。
ただ正解の選択肢を選べばいいわけではなく、おそらく選ぶ順番も重要だったりします。
私は最初の裁判で2回ほどティレルを死なせてしまいました。ごめんティレル

キャラクターも今のところ未知数であるものの、生き生きとして魅力的です。
異端審問官のティレルは偏屈で嫌味な性格ですが優しいところもある、というキャラ性が実際の行動を伴って描かれており説得力があります。今のところ主人公との関係に色っぽいところは無くあくまで仕事上の相棒という感じですがそれがいい。
謎解き正解して杉山紀彰声のイケメンに褒めてもらえるのってすごく嬉しい!
主人公アナスタシアは基本的に冷静で頭のいい女性ですがひどく純粋なところがあり、一度信じた相手は徹底的に裏切られるまで信じ抜いてしまう危うさがあります。その危うさが今後どう出るのか気になるところです。

イラストも今作の大きな魅力ですね。のりた先生、私は初めて見かける方でしたが、絵柄が好みな上に立ち絵・スチルどれも整っています。こういうコンセプトの作品らしい、絶望顔やいわゆるゲス顔といった穏やかではない方向で豊かな表情も見所です。

今作、普段乙女ゲームをプレイしない人でも楽しめそうだなと思います。
悪役令嬢ものが好きで、実際の乙女ゲームにも少し興味あるけど……という層がもしいたら、是非『テンペスト』をオススメしたいですね。

最後に一つ思ったことを。
ルーシェン殿下の情けない泣き顔見せてー!!

 

 

 

乙女ゲーマーへの質問に勝手に答える

 Twitterで「#乙女ゲーマーがいいねの数だけ質問に答える」という全部で40の質問集を見かけました。
 これは乙女ゲーマーとしてのいい自己紹介代わりになると思ったので答えてみます。いいねは待ったところでつかないので勝手に40問全部答えます。

 

1.乙女ゲーム
 小学校の卒業式の日に初めての乙女ゲームを買いました。あれからもう15年くらいたちます。
2.乙女ゲームをプレイしたきっかけは?
 姉が買ってきた『牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち forガール』をプレイしていて、男性キャラクターと恋愛・結婚ができるという仕様に衝撃を受けました。もともと漫画の男性キャラに恋しがちな小学生だったので、キャラへの恋愛感情を肯定してくれるゲームが存在するなんて夢のようだと思いました。
 覚えたてのネットサーフィンで「ぼくもの」の二次創作を漁るようになってから、乙女ゲームなる素晴らしいジャンルのことを知るまで時間はかかりませんでした。
3.初めてプレイした乙女ゲームは何?
ときめきメモリアル Girl's Side 1st Love』でした。DSへの最初の移植版です。小学校の卒業式の後にウキウキで近所のゲーム屋に買いに行ったら、同級生と鉢合わせて気まずくなった思い出があります。
 初めて攻略したのは鈴鹿くん。私のファーストキスは鈴鹿くんです。
4.乙女ゲームのプレイ本数を教えて!
 ブログ名で乙女ゲームおたくを名乗っている割に、言うほど本数はプレイできていません。積みゲーも多く、ちゃんとプレイできてるのはたぶん20~30本くらいかと。
5.好きな乙女ゲームトップ5!
 上から『絶対階級学園』、『暗闇の果てで君を待つ』、『ときめきメモリアルGirl's Side 4th Heart』、『遙かなる時空の中で6』、『バスタフェロウズ』です。
 サスペンス要素が含まれる作品を好みがちです。『CharadeManiacs』『百花百狼』も好きで、入れるかどうか悩みました。
 トップ10だったなら、さらに『カエル畑DEつかまえて』、『アンジェリーク ルミナライズ』、『金色のコルダ』も入れたいところです。
 ときメモGS4は、発売前は少し不安でしたが蓋を開けてみればかなりの良作でした。随所で設定のツメが甘く見えるところもありますが、乙女ゲームは萌えられるかどうかが結局最重要なので、その点で言うと個人的には傑作でした。
6.乙女ゲームの一番の推しは誰?
 今はときメモGS4の本多行くんです。
7.どうゆう見た目や性格のキャラに落ちやすい?
 ざっくり言うとかわいい系のキャラに惹かれやすいです。
 絶対階級学園だとハルくん、クラキミだと風野くんと桜葉くん、ときメモGS4だと本多くん、遙か6だとコハクと九段さん、バスタフェだとクロちゃん、シャレマニではソウタくん、百花百狼では黒雪、カエル畑では広瀬くん、アンミナではミランとヴァージル、コルダでは火原先輩が好きです。
8.苦手なキャラクターの傾向は?
 主人公より一定以上年上のキャラには興味がありません。年上らしく頼りがいのあるキャラも、年上なのに主人公に依存してくるキャラも好きではないです。
 年下である主人公を恋愛対象に定めてくる時点で「なんか情けない」という印象を抱いてしまいます。
9.好きな主人公は?
 個性ありも嫌いではないですが、基本的には無個性寄りで、要所要所で非凡さをきらめかせてくるタイプの主人公が好きです。絶対階級学園のネリちゃん、クラキミの深雪さんなど。
 個性ありだとバスタフェのテウタ、オラソワのオランピア、あとトリキスの双葉が好きです。
 どちらにせよ、言うべきときに攻略対象にガツンと言える主人公に魅力を感じます。
10.苦手な主人公の性格は?
 大人しくて聞き分けがいいタイプはモヤモヤするので苦手です。
 家事など人の世話ばかりしている主人公も、本人は何も悪くないですが、そういうポジションに魅力を感じないので好きではないです。
 あと、オトメイト作品に多い印象ですが、クール系や無表情系(綾波系というのか?)の主人公もあまり好きではないです。
 イケメンたちに愛される役目の主人公たるもの、愛想や愛嬌はそれなりにあってほしいです。
11.好きな非攻略対象キャラクターは?
 非攻略対象を「攻略したい!」と思うほど好きになったことはありません。
 女性のサブキャラで言うと、遙か6の千代ちゃんは見かけより勝ち気なところがチャーミングで好きです。
12.好きな声優は?
 下野紘さん、松岡禎丞さんの声が特に好きです。あとかわい子ぶってるときの木村良平さん
。高めで、少し鼻にかかったような声が好みです。
13.好きな乙女ゲーム関連のイラストレーターは?
 絶対階級学園などの和田ベコ先生、バスタフェなどのすめらぎ琥珀先生が好きです。
 安定した画力と豊かな表情、かわいいキャラとたくましいキャラ両方を描きこなせる点が魅力だと思います。
 あまり美麗すぎると逆に萌えづらいというのがあって、個人的にはオトメイトの人気絵師陣はそんな感じです。
14.好きな乙女ゲームメーカーは?
 特定の好きなメーカーはありません。このご時世に乙女ゲーム出してくれるだけでありがたいので、好みや質に関わらず新作は全て買うことにしています。そんでそのまま積みがちですが……。
15.購入するか迷っている乙女ゲームは何?
 自分はエロシーンが苦手だという思い込みがあったため蝶毒も吉原彼岸花も越えざるは紅い花も全年齢版しかやってないのですが、やはり余さず楽しみたいという思いもあります。
16.1番記憶に残っているBESTエンド
 絶対階級学園のハルくんの石ころルートのベストエンドが印象的です。お風呂でプロポーズしてくるやつ。萌えすぎて死にそうでした。
17.1番記憶に残っているBADエンド
 私はバッドエンドを見たくないタイプで、これまでに見たのはどれもうっかり見てしまった不意うちパターンなのである意味どれも印象的です。記憶に新しいのは『君は雪間に希う』の各バッドエンド。一週目は必ずバッドになるみたいな仕様やめてほしい。
18.一番シナリオが良かった乙女ゲームは何?
 すでに何度も名前を出していますが、絶対階級学園とクラキミのシナリオが特に好きです。
 絶対階級学園は主人公が進む道によってキャラとの関係がガラッと変化する点が良かったです。クラキミも、あるエンドでは主人公に恋して真っ当に生きる覚悟を決めてくれるキャラが別のエンドでは恐喝で捕まったりして、キャラのたどる道、見せる顔が状況によって変わる様を楽しめるところが素晴らしいと思います。
 良いところばかり見えるわけではないところも、生きてる人間らしさがあって好きです。
19.キャラが死ぬ乙女ゲームはプレイできる?
 死ぬエンドを回避しながらプレイすることならできます。
20.無料アプリの乙女ゲームはプレイしている?
 乙女ゲーム系アプリでハマったことがあるのは『ダウト』、『A3!』、『乙女剣武蔵』です。どれもシナリオが面白くて一時期は夢中になったし課金もしましたが、根本的にソシャゲ向いてない人間なので続ける気にはなれませんでした。
21.糖度の高い乙女ゲームはプレイできる?
 できるかと言われればできますが、糖度はあまり重視しません。むしろ糖度が控えめとされる作品を好きになりやすいです。
22.世界観や舞台設定が好きな乙女ゲームは何?
 異世界ファンタジーは入り込みづらく感じるので得意ではなく、現代か近未来の日本が舞台の作品が好きです。しつこいですが絶対階級学園やクラキミが好きですね。
23.乙女ゲームに出てくる食べ物で食べてみたいのは?
『ワンドオブフォーチュン』でよく出てきたマカロンが思い浮かびました。箱いっぱいにマカロンがごろごろ詰まっているスチルがあった気がしますが、あんなスナック感覚で食べられたらいいですよね。
24.お気に入りのオープニングムービーはどれ?
 ワンドFDの、mamiさんの『Re:ココロ』という曲が大好きです。音も歌詞もかわいくて、聴いていて幸せになれます。ムービーもかわいい。移植版では聴けなくなってしまって誠に遺憾です。
25.乙女ゲームのエンディング曲で1番好きなのは?
 ときメモGS4の大多和孝治さんの『Oath』です。ストレートに愛を歌い未来を誓う歌詞がときメモらしくて、これまでのゲーム体験を思い返して感慨深くなれます。
26.好きなゲーム内bgmはある?
 サントラを聞き返すほど気に入っているのはクラキミとジャックジャンヌ、GS4です。
 クラキミは、作品の内容に合わせて不安を煽るBGMが多くなっているので印象に残りやすいのかもしれません。
 ジャックジャンヌは音楽に相当力が入っているので順当ですね。白田先輩のテーマ『Loneliness』と秋公演の『懺悔室で激しく懺悔』が特に好きです。
 GS4はキャラテーマに良曲が多かったです。推しの本多くんはもちろん、柊くんと氷室くんのテーマもすごく良かった。
 キャラクターごとにテーマソングがあるといいですよね。聴くだけでキャラへの愛おしさも思い出せます。一人のキャラでも明るい場面、切ない場面など様々な局面があるのが普通なので、ときメモみたいにアレンジが複数用意できないと使いづらいと思いますが。
27.印象に残っているゲームのキャッチコピーは?
 遙か4の「神に抗い、恋を貫く――その想いが、伝説になる」と、
オズマフィアの「キミと描いたユメの痕 サヨナラ貫く愛の銃弾」が気に入ってます。どちらもドラマチックで力強いところが良いです。
28.印象に残っているセリフやシチュエーションはある?
 セリフは覚えていないんですが、クラキミの風野くんルートで印象に残っている場面があります。
 主人公が風野くんに「裏切らないと約束してくれ」と請われて指切りをするのですが、後に「主人公には裏切られてもいいと思ってる」的なことを言われます(風野くん的には最大の愛情表現)。そこで主人公が「私なりに覚悟を決めて約束したのにそんなこと言わないで」と怒り出すんですよ。それが印象的でした。
 要は「私の覚悟を無駄にしてくれるな」ということです。割と冷静な主人公が珍しく感情を露わにする場面でもあるため、風野くんと一緒に驚いてしまいました。同時に「この女、信頼できる……」と風野くんと同じであろう感想を抱きました。
29.好きなスチルはどのゲームのどれ?
 ときメモGS3はスチルが全体的にきれいだったので印象に残っています。一番はクリスマスに嵐さんが肩に寄っかかってくるやつですね。こんな色っぽい目つきができる男なんか……とドキドキしました。
30.グッズを買ったりイベントに行ったりする?
 アクリルフィギュアや缶バッジには興味ないですが、好きな作品へのお布施のつもりで買ったりします。でっかいタペストリーは好きなので出たら喜んで買います。
 イベントはかつてGSの文化祭に行ったきりです。グッズのためにひたすら並んでましたね。GS3の作中スチルのブロマイドを全員分買ったら、ちょうどルカくんのが完売になって後ろのお姉さんをがっかりさせてしまった記憶があります。
31.持っているゲーム機を全て教えて!
 プレステ2、vita、2DS、switchを持っています。
32.攻略サイト見る派?自力攻略派?
 攻略サイト見ながらやることが多いです。バッドエンドが多いゲームならなおさらです。
33.主にどのような攻略順でプレイしている?
 素直に気になったキャラからプレイします。一週目がやはり一番感動できるので、一週目は好みのキャラに捧げたいです。個人的には、物語の謎を最大限に楽しむよりもずっと重要なことです。なので攻略制限ガチガチのゲームには煩わしさを感じます。
34.BADエンドはどのタイミングで攻略する?
 攻略しません。先にバッドエンドを見てしまうとそのイメージで固定されてしまって後でハッピーエンドを見ても素直に喜べないし、後でバッドエンドを見ると後味悪いことこの上ないので、見ないに限ります。
 たぶん私は、幸せになるつもりで進めていたのに急に雰囲気が変わって悲しい結末になるのが怖くて苦手なので、作品通して陰鬱な雰囲気の蝶毒や、薔薇ルートに入った時点で覚悟ができる絶対階級学園は例外的に楽しめました。
35.主に何を重視して購入を決めている?
乙女ゲームである」それだけで購入の理由には十分です。
36.個人的乙女ゲーム、乙女ゲーマーあるあるを教えてください。
「小柄ポジションのキャラが十分でかい」は乙女ゲームあるあるかと思います。全体的にでかすぎて170㎝台前半なら小柄、って世界です。「女性は高身長が好き」は昔から変わらない事実なんでしょうね。個人的にはかわいい系のキャラは160㎝台であってほしい。その方がかわいいからです。
 乙女ゲーマーあるあるとしては「主人公に感情移入はしない、一人のキャラとして見てる」と言いたがる人が多いというのがあります。
 感情移入する人は痛い、という風潮が少なからずあるような。私の場合、自分の言いたいことを代弁してくれる気持ちのいい主人公が好きなので、感情移入はしていると思います。
37.身の回りに乙女ゲームをしている人はいる?
 母が私の影響で乙女ゲームをやるようになりました。作品の趣味はあんまり合わないです。
 あとは大学時代に乙女ゲーマーの知り合いが二人ほどいましたが、今はリアル知り合いにはいません。寂しいです。
38.乙女ゲームしたことない人を乙女ゲームにはめたい場合、どうゆう手順で布教する?
 今だとときメモGS4の実況動画を勧めるところからですかね。ときメモの素晴らしい点は、交流するキャラ、イベントの発生する順序やタイミングの違いで無限大のストーリーが楽しめるところなので二、三人の実況を見てもらってその魅力が伝わればハマってもらえるかもしれません。
 ときメモ以外だと、アプリ化もしている『夏空のモノローグ』とか勧めやすいのではないでしょうか。設定もビジュアルもとっつきやすいし、シナリオの出来がいいらしいので(積んでます)。バスタフェもアプリで出てますし、洋ドラ好きにはおすすめしやすいと思います。
 あとはジャックジャンヌですね。人気漫画家の石田スイ先生が全面的に関わってますし、内容の面白さも申し分ないです。ある程度漫画やアニメが好きな人にはジャックジャンヌを勧めるのがいいかも。
 ……ただ、ジャックジャンヌ好きな人って「乙女ゲームが苦手な人でも楽しめる」「他の恋愛ありきな乙女ゲームとは違う」「乙女ゲームの枠を越えてる」と言いたがるイメージがあって、他の乙女ゲームに手を出してくれなそうな気もします。
39.乙女ゲームを1つおすすめしてください!
 しつこいですがdaisy2の絶対階級学園がおすすめです。
 理不尽な階級制度に翻弄される少年少女たちの愛憎を存分に楽しめます。
 あるキャラは階級制度に迎合し別のあるキャラは反抗していたり、あるキャラは主人公の階級次第で態度が大きく変わって別のあるキャラはほとんど変わらなかったり、階級制度というモチーフがそれぞれの性質を如実に映す鏡になっています。
 大きく二つに分かれたルートで多面的に描かれるキャラクターたちは、みんな善良なだけではない生々しさを含んでおり魅力的です。
 学園の謎を解き明かし、黒幕に抗い脱出する「真相ルート」が攻略対象全員分用意されているところも個人的には重要なポイントです。明かされる真相は同じなので広義の金太郎飴感はありますが、シナリオが凝っているゲームほどルート間格差が生じがちなところを(メインヒーロールートでだけ全ての問題が解決するとか)、全員分用意してくれることで好きな子を私のメインヒーローに任命できるのが良かったです。
 最初はPCゲームでしたがSwitchにも移植されています。損はしないので興味があったらぜひおすすめしたいゲームです。
40.最後に乙女ゲームの魅力を語ってください!
 二次元キャラに対する恋愛感情を肯定してくれる点がやはり最大の魅力と思います。
 見目麗しい男性に一途に愛されたい守られたい、そんな浅ましいとも言える欲望を叶えるために全力を尽くしてくれる素晴らしいジャンルです。
 さらに、少女漫画や恋愛映画と違って相手を好きに選べます。もう最高では?
 一般的に需要がないとされるタイプのキャラでも乙女ゲームなら「品揃え」としてご用意してくれます。あなた好みのキャラをラブストーリーの主役にできるのです! こんなジャンルは他にありません。

 

 さて、これで全部答えられました。こんなの全部読んでくれる人はそうそういないかもしれませんが、いろいろ話せて自分は満足です!

それでは。

ときメモGS4 キャラ別感想②

ときメモGS4、10万本突破おめでとうございます!!
これは本当にめでたいことですね。最近の乙女ゲームといえば、初週5000本ならかなり好調、1万超えたら大ヒットくらいの規模感だったので、発売三ヶ月ちょっとで10万本とはさすがGS、格の違いを見せつけてくるな~という感じです。
実況解禁による販促効果もあったんでしょうか。実況きっかけでGSならびに乙女ゲームに関心を持つ人が増えてくれたら嬉しい限りです。

さて、キャラ別感想の続きです。今回は七ツ森くんと柊くんです。

 

七ツ森実(cv.阿座上洋平)・・・真エンド以外は回収済

発売直後から多くの乙女を虜にしている七ツ森くん。
彼を攻略した感想を一言で言うと、「女の夢」ですかね。
七ツ森実という一人の男の子に、今を生きる女の夢がこれでもかと詰まっています。

具体的にどこかというと、まずは愛情表現がストレートなところ
「そういうのスキ」「そういうとこスキ」彼を攻略しているとこんな台詞を何度も聞くことになると思います。好意を一切ごまかさないのが七ツ森流。
普通の人なら恥ずかしさを言い訳にしてサボっちゃうようなコミュニケーションをサボらない。七ツ森くんのそういうとこ、本当にスキ。
あと、ホタルの住処で聞ける、母とのクリスマスの話がすごくいいんですよ。父と姉が留守にしている中で母を一人にできない優しさ、家族に対する愛情深さを感じます。
結婚しても記念日とかすごく大事にしてくれそうですよね。女の夢ですねー。

次に、趣味に理解があるところ
彼、男性オタクの理想として流行った「オタクに理解のあるギャル」の男性版みたいなところがあります。流行を追い求める今ドキ男子であると同時にオタク気質も持ち合わせているのです。
モデルなだけあって美容やファッションに詳しく、インスタ映えするかわいいスイーツやきれいな景色に目がないのと同時に、スマホゲーに夢中になったりボカロ聴いたりコスプレ(それも女装)したりもするんですよ。
別にミーハー趣味とオタク趣味は排他的なものではないし、鬼滅が社会現象レベルで人気になったり歌番組に出演するアーティストがボカロ出身だったりして、オタク文化が流行っていると言って過言ではない現状ではむしろ自然ですけどね。
七ツ森くんの設定は特に、今らしさを上手くときメモという作品に取り込めているなーと感心しました。その上人気キャラになっているので「ファンのニーズを外すことなく新しさを取り入れる」という何気に難しいことに成功しているのでは。
本人も多趣味なだけあって、女の趣味を一切馬鹿にしなさそうなところは、リアルに「付き合いたい」と思わせるのに十分な魅力です。
乙女ゲームという趣味にすら一切引かないでくれそうですよね。
それでいて無闇に踏み込まず、こちらが話したがることだけを聞いてくれそう。
ダーホンだったら「オレもやってみたい!」とキラキラした目で言い出してこちらをヒヤヒヤさせそうです。知りたがるのは彼にとって最大の愛情表現なので嬉しいことですが、ダーホンの卓越した分析力でこちらの願望丸裸にされちゃっても困るのでそっとしておいてほしいですね。

七ツ森くんの話に戻ります。彼はお勉強的な施設はあまり好きではなく、水族館も雰囲気を楽しむタイプのようです。プラネタリウムでも「シートがフカフカでグッスリ…」でバッチリ好印象。
(ときメモあるあるですが、自分から城デートに誘っておいてつまんなそうな顔するのやめてほしい。颯砂くんもだよ!)
難しいことはわからない、きれいなものが好き、という嗜好は悪く言えば俗っぽいけど、そのぶん肩肘張らずに付き合える相手だと思います。
私はキャラ的にはダーホンが一番好きですが、マリィではなく「私」とのお出かけで物知りなダーホンを満足させることは不可能だという気しかしないんですよ。
対照的に、七ツ森くんとは一緒にディズニー行っておそろいのカチューシャ買ってアプリ駆使してあれこれ乗って限定スーベニアバケットのポップコーン買い食いして写真撮って……と最高に楽しい一日になる想像ができてしまう。
「女がリアルに付き合いたい男」それが七ツ森くん。

あと個人的に素敵だと思うのが、自己評価が低い割にマイペースを崩さないところ
七ツ森くんは自分の能力について、容姿以外に取り柄がなく、モデルとしても周りの人に支えられてなんとかやっていけてると評価しているみたいです。
その割に特に悩んでいるわけでもなさそうなところに、精神的な余裕、安定感が見られます。
自己肯定感とは「自分はすごい」と思えることではなく「自分はすごくなくてもいい」と思えることだと聞いたことがありますが、それでいくと七ツ森くんは自己肯定感がしっかり育まれているのかも?
私の場合、忘れ物や落とし物で時間をロスした後はしばらく自己嫌悪に苛まれるのですが、七ツ森くんは「あー、またやっちゃったわ」って感じで大して焦らない。焦らなすぎて風真くんに怒られてもあまり気にしてない。そういう謎に強メンタルなところすごくいいと思います。
これは彼が生来的におっとりさん気質だからというのが大きいかもしれません。
彼、女の子が出かける支度にどれだけ時間かけても怒らず待っていてくれそうで、そういうところもいいですよね。
ダーホンだったら(最推しなのでめちゃくちゃ引き合いに出す)優しいので怒りはしないと思いますが、三分おきくらいに「ねえ、まだー?」「日が暮れちゃうよ?」と言いながらずっとそわそわそわそわしてそうです。かわいいね。

七ツ森くんの魅力、他にも阿座上さんの低音ささやきボイスが最高だとか(乙女ゲームの仕事ジャンジャンやってほしい!!早速オトメイトの新作に出演してますよね楽しみ)、基本的に主人公に振り回される側なのに時には自分の魅力を理解した上で翻弄してくるところとか、いろいろ語り尽くせない魅力があります。納得の人気です。
ときめき会話で気に入ったのはダーツと動物園のグッズショップですね。この助兵衛さんめ!

最後にお気に入りのスクショをば。

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ここキュンとしました。褒め上手森。

 

柊夜ノ介(cv.福山潤)・・・真エンドのみ回収済

高校生でありながら劇団の座長を務める柊くん。
攻略してみると「環境のせいで大人にならざるを得なかった男の子」という感じです。スマートでかっこいいのに、ある意味では誰よりも幼い、そのアンバランスさがなんとも魅力的でした。

彼の大人っぽさって、毅然としながらも礼儀正しい振る舞いもそうなんですが、なにより「諦めの良さ」から感じ取れてしまうんですよ。それが切ない。
自分の言いたいことがわかってもらえないと見るとすぐ見切りをつけてしまうところがあるんですよね。彼が「ルンバは邪道(意訳)」と語るイベントで、返答に困る主人公を見ての「無駄な議論は嫌いです。時間も人間関係も台無しにする」というような台詞が印象的でした。
「人と人がわかり合おうとしたところで徒労に終わることがほとんど」というあまり若いうちからたどり着きたくはない真実にこの年齢でたどり着いてしまってるんですね。

ナンパへの対応も威圧or無視と、「相手にする価値がない」と判断した場面での容赦のなさときたらシビれるほどです。
学校では温厚でおちゃめな柊くんですが、劇団ではナンパ対応時に近い苛烈さで団員たちを率いているっぽいところがなんとなく伺えます。
彼の最大の魅力は、こうした大人としての顔と、無邪気で負けず嫌いな子供の顔との強烈なギャップだと思います。
好感度が好き状態になってからはさらに、紳士的ながらもいい具合に強引さもあるという完璧な王子的アプローチも待ち受けており、ギャップの三段構えになっているという贅沢なキャラクターです。

でも、彼と向き合っていると、ときめきつつも胸が痛むような場面が多かったです。
幼い頃から劇団の都合で各地を転々とさせられ、看板子役に傷がついてはコトだからと遊びを制限され、子供らしい子供時代を過ごさせてもらえなかった柊くん。
だというのに本人に被害者意識は皆無というのがなお辛い。寂しい思いはしたけれども、あくまで劇団の一員として大切にされていたからで、仕方のないことだったと考えているようです。

劇団のために普通の子供としての幸福は諦めてきた柊くん。高校に行くことは、劇団に身を捧げると決めた彼の人生最後のわがままだったのかもしれません。
せっかく役割から解放されるチャンスなのに、わざわざ生徒会に入ってパソコン仕事を買って出ます。何か課せられていないと落ち着かないタイプなんでしょうね。

劇団の仕事を完璧にこなしているように見える彼ですが、座長としてのあり方に悩んで涙することも。
団員たちの夢や生活まで背負っているわけですから、部活動の部長などとは訳が違います。明らかに年齢に不相応な重圧です。
こんな重圧を与える環境から救ってあげたい……なんて気持ちになってしまいますが、救いたいなどと言われたら柊くんは「この人にわかってもらうのは無理だ」と黙って距離を置くだけなのが容易に想像できるのがなあ。
ときメモやってて対人支援の難しさ的なものに思いを馳せることになるとは。

欲をいうと、成績優秀なマリィで柊くんの勉強を見てあげるイベントとか欲しかったです。
歴代のバカキャラとは違って、柊くんは勉強ができないことを本当に悔しく思っているし、図書室に通ったりしてなんとかしようとする意思もあります。
テストの話題になる度に自己嫌悪して悲しい顔をする柊くんを見るのは辛い。
高校三年間では勉強にしろ運動にしろ上手くいかないことが多かったわけで、柊くんにとっては「やはり自分には演劇しかない」という思いを固めてしまう三年間だったのではと心配でなりません。
主人公を愛しすぎてる風真くんに、主人公なしで生きる未来を前向きに考えられるようになってほしいのと同様に、柊くんには劇団以外にも居場所はあると思えるようになってほしいな。余計なお世話だとは思いますが。

ただ、ときメモというゲームの性質上、今本人が打ち込んでいることを否定するような方向に行くことはないのでしょうね。
巴ちゃんルートも、家族の意向でやらされてきた柔道を辞めてファッション業界という別の道に進もうとするものの、自分の背中を追いかけてくれた柔道女子に感化されて「柔道とオシャレ、どっちも!」という道を行くことを決めるという内容でしたから。

柊くんのときめき会話、回収できた中ではスカイラウンジでの会話がめちゃくちゃ可愛かったです。
柊くんというキャラクターの愛らしさがこの会話に詰まっています。

最後にお気に入りのスクショです。

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大接近でつつきまわした後日の柊くん。彼の言い回しは面白いものが多いです。

 

ちなみに、彼が含まれる柊・氷室・御影グループは未だ結成できたことすらありません。
御影先生の存在がネックで……ダーホンのスチル回収のために夏の課外授業に行ったきりです。海辺で何度も先生と手を繋ぐことになりましたが。
1の氷室先生、2の若王子先生といい、GSの先生キャラって「教師と生徒」の生々しさを緩和するためか他キャラと比べて非現実的なキャラ付けをされていたと思います。
二人とも恋愛経験はおそらくゼロで、浮世離れしているからこそ、生徒へ恋愛感情を抱くことがあってもなんとなく受け入れられていたのですが、御影先生はそうじゃない。
お調子者だけど根は常識的で真面目で、気配り上手で優しくて、普通に現実にいたとしても魅力的な男性であるせいで「教師と生徒の恋愛」の生々しさが全くごまかされてない!一切希釈なしでそのままお届けされてます。
こんな素敵な先生と二人だけの秘密のデートを重ねるとか……。
さすがに大げさかもしれませんが、私の感覚では、クラキミの先生ルートばりの強~烈な背徳感があります。勇気が出るまで手を出せそうにありません。

先に大成功先生攻略しちゃいましたよ。
教育実習生はいいんかい!って感じですが、大成先生の場合、実習期間中はそこまで親しくないこと、主に会う場所が常に人目のあるコンビニであること、赴任先が他校であることなど、倫理的に真正面アウトにならないようにかわすのが上手かったなーという感想です。
それでも実習先の生徒と個人的に関わるなやとは思いますが、大成先生は元不良で、生きていても半分死んでるような不感症男子というキャラ設定のため、多少非常識でも仕方がないかなと思えます。
追加キャラなだけあってイベントは少ないですが、スカイラウンジでの会話はこの手のキャラの美味しいとこを押さえていて印象的でした。愛する人を通して初めて「怖い」という感情を知る……ベタだけどいいですよね。

大成先生の攻略中は御影先生の好感度が常に一番高く、課外授業すら一度も行ってないのに初めてクリスマスイベント発生しました。まだ何もしてないのに成仏すな!!私の勇気が溜まるまで待ってて!!
イノリンリンも一切デートしてないのに早朝サーフィンに誘ってくれたり卒業前に泣いてくれたりしてすごく可愛くてかわいそうでした。
巴ちゃん攻略時は試合の度に七ツ森くんが褒めてくれたなあ。隠しキャラ攻略してるときの他キャラの動向って面白いですよね。

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誰にもなびかないプレイしてたので普段なかなか聞けない台詞が聞けました。

ときメモGS4 約七周目キャラ別感想(少々ネタバレあり)①

ときメモGS4の発売から一ヶ月と少し経ちましたが、引き続き楽しんでます!
今は風真くんの真告白を目指しているところで、7周目くらいですね。回収状況はこんな感じです。まだまだです。

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御影先生と白羽兄弟はまだ手つかずですが、他のキャラは一応何かしらのエンドを見ることができている状態です。

今のところ推しはダーホンこと本多行くん。多分これからも変わらないかと!

実況・スクショの掲載が昨日から解禁されたということで、せっかくなのでスクショも少々用いながら現時点での各キャラに対する感想を書いてみたいと思います。そこそこ長くなったのでまずは風真、颯砂、本多の三人ぶんだけ。

 

風真玲太(cv.梶裕貴)・・・真エンド以外は回収済

周回するほど愛が増す、放っておけない恋愛脳王子。彼を「選ばない」こともできる乙女ゲームの世界で彼と出会えて本当によかったです。ダーホンの次に好きです。

本作の王子枠であると同時に本作最大の問題児かもしれない風真くん。(最大は先生説もあるか)
正直最初は尋常とは思えない好意の重さに戸惑いました。
幼なじみとはいえ、九年も離れていて連絡も取ってなかったならほぼ他人のはずなのに、再会した直後から付き合って五年目くらいの空気を一方的に醸してくるし結婚する気満々だし。将来は自分のやりたい仕事手伝わせる気満々だし。
お前は○○なやつだもんな、とか○○好きだもんな、とか決めつけるような台詞が多いし(4の主人公、他キャラ攻略時は無個性に近いのに対風真の時だけ「ドジで天然で無邪気で幼い」枠に収められてる感ある)、
何かっちゃ「お前もう○○禁止な」と行動狭めようとしてくるし(理由は純粋な心配がほとんどなので憎めなくはあるけど)、
バイト訪問で「ずっと怒った顔してろ」的なこと言ってくる(笑顔だと男を魅了してしまうから)というのもなかなかヤバいし。DV気質の彼氏が言いそうなことじゃないですか。
風真くんそっちのけで他の子とばっかりデートしてるのにちょくちょく面会イベントは発生して「俺たちにとって帰り道って特別だよな」とか言われて「そ、そう・・・?」となったりして。
Twitterでつい「風真 怖い」「風真 モラハラ」で検索してみたりもしてました。

しかし!
何周も高校生活を繰り返し、交友関係も進路もそのたび変わる中で、風真くんは何度でも変わらない愛情を注いでくれるのです。するとだんだんと彼が健気に、愛おしく思えてくるんですよね。
風真くんはある程度平均的にパラ上げしていればパラ萌えしてくれるので、狙ってなくても3年目には私のことを好きになってて一月に一度のデートお誘い枠に割り込んできます。だいぶ困るんだけど可愛いったらない。(でも場所を聞いてから断ったときの反応怖くないですか?)

周回を繰り返すことでこちらの思い出の量、感情の量がようやく彼に追いついていく、そんな感覚です。
なので個人的には彼の攻略はある程度後回しにするのがおすすめです。早くても三周目くらいで。

私の中で「何年も離れていたのに再会して間もない主人公への好感度マックスな幼なじみ」と言えば百花百狼の黒雪なんですが、彼は離れている間に壮絶な修行を強いられて、狂ってしまいそうな日々を脳内のイマジナリー主人公を支えに生き抜いてきた(つまり黒雪的には主人公はずっと傍にいた)という設定でした。
なので風真くんも、黒雪のような目には遭ってないにしてもイギリスでの日々が本当に寂しくて辛くて、思い出の中の主人公の存在をずっとずっと支えにしてきたんだろうなあと思います。再開直後から距離が近すぎるのも、彼的にはずっと傍にいたつもりだからなのかなと。

確か「学校について」質問したときに聞ける、イギリスでの小学生時代は心を守るために麻痺させていたという発言が切ないです。

小一あたりから長らく家を空けていた彼の部屋に「小学生男児感」がありありと残っているところにはリアリティを感じました。いかにもおしゃれな部屋に住んでそうに見えるのに。こういう、キャラの表面的なイメージにはそぐわないけど現実的に考えたらそうだよね、というところをついた設定って一本取られた感じがして好きです。
机はもちろん勉強机だし、棚も子どもが使いやすそうな背の低いやつなんですよ。この部屋で寝泊まりしてる風真くん、可愛い~。
個人的に、彼のことが好きな人って少なからずショタコンの素養あると思いますね。私もですが。

実際、親の都合で突然大好きな女の子と故郷から引き離された風真くんは、情緒面で幼い部分を残した人物として描かれている気がします。(残してるも何も高校生は幼いんですが、風真くんの場合、外面はスマートなだけにギャップがあります)
両親には両親の事情があるとはいえ、風真くんからすれば、安心できる環境で子ども時代を過ごす権利を奪われたと言っても過言ではないのではないでしょうか。
失われた時間を埋められたと心底実感できたとき、彼は大人になれるのだろうと思います。
その時には愛し方も、今の情熱的な(独善的とも言える)ものから変わっているかもしれません。ずっと愛が重い男でいてほしい気持ちもありますが、彼のためにもきっとその方がいいでしょう。

しかし彼の挙動が九年ぶりに再会した幼なじみに対するものとしては重すぎるし怖いという点は何周しても変わらないんですよね。
もし彼が乙女ゲームではなく一本道のラブストーリーの男だったら、主人公大丈夫!?ほんとにコイツでいいの!?と読者を不安にさせること請け合いですし、さもなきゃ不幸な当て馬コースでしょう。
しかし風真くんは乙女ゲームの男なので!主人公およびプレイヤーは他に魅力的な選択肢をいくつも与えられています。「選ばない」こともできる状況での「選ぶ」には明確な意思が込められています。これでいいのと聞かれても、(今回のマリィは)これでいいの!と胸を張って言えるんですよ。
さらに、今作では仲良しグループという素晴らしいシステムによって彼が気の置けない同性の友人を作るサポートもできちゃいます。四人グループのいいところは、誰かが主人公と抜け駆けしても残される人が一人ぼっちにならないところです。
万事において主人公が全て!なガチガチ恋愛脳の風真くんですが、友達と過ごすうちに、主人公なしで生きていく道も想像できるようになっていたらいいな。

ときめき会話で一番おすすめなのは冬の海です。砂浜の足跡の話から主人公への想いの話に繋がる流れが美しいし、彼の恋愛観(彼と恋愛は切り離せない関係なのでイコール人生観でもある)の真髄も垣間見られる気がします。

最後にお気に入りのスクショを。

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デート断られてむくれる風真くん嘘みたいに可愛い。しかしこの時はイノリンリン攻略中だったのでその後もデートはせず。すまない。この時の風真くん、不満を口にしたあとはすぐ機嫌直してたので、食堂の会話でダーホンが言ってた「リョウくんは言いたいこと言った後はご機嫌になる」ってこのことか!となりました。こりゃ可愛いわ。

あともう一つ風真くんに対して言いたいこと。
乳搾りというワードに興奮すな。

 

颯砂希(cv.佐藤拓也)・・・真エンドのみ回収済

器用で不器用で、懐っこいのに孤独で、風真くんとはまた違った意味で放っておけない男の子です。彼の真エンド攻略はバイトも記者活動もせず部活に明け暮れた方がより没頭できるかも。

陸上の十種競技で全制覇を目指す颯砂くんは、陸上部の中でも図抜けた実力の持ち主でありながら本人はいたって気取らないフレンドリーな性格の男の子です。
それが最初は意外で、発売前の「ロジカルなアスリート」という触れ込みにしてはなんというか、脳天気そうだなーというのが一見しての正直な印象でした。
いざ攻略してみると、いやはや人は見かけによりません。
むしろ様々な葛藤や不安を「脳天気なバカ」のフリをして隠してもいるところが本質のキャラクターなのではという感想を持ちました。理論や事前の予測を重視するのも、不安を吹き飛ばせる裏付けを求めているからなのかなと。ダーホンと颯砂くんの絡みはまだ一度も見られてないんですが、意外と気が合いそうに見えます。

攻略して初めて知った事実ですが、陸上部が誇るトップアスリートであるはずの彼は、意外にも部内では肩身の狭い思いをしていました。
十種競技の選手なのに単一競技で頑張ってきた先輩を上回る成績を収め、それでいて満足そうには見えないところが先輩たちの神経に障ったらしく、僻みの的にされる颯砂くん。
彼は常に上しか見ていないので、馬鹿にしているとかではなく本当に下には一切興味がありません。だから誰々よりは上だなんて喜び方はできないんですよね。
できることを誇らしく思うよりもできないことが悔しい、という彼の姿勢は、確かに下の人間からしたら圧倒的な格の差を見せつけられるようで素直には受け止めがたいのかもしれません。
主人公は陸上部のマネージャーとして孤立する彼を一番近くで支え続け、やがて恋に・・・という流れになっています。
マネージャーである主人公にベタ惚れの颯砂くんって、トレーナーさんのことが大好きな犬っぽさがあって可愛いですね。

颯砂くんの背景を知ると、彼が「俺バカだから」的なことをよく言うのは、本気でそう思ってもいそうですが、バカだと思われていた方がトラブルが少ないという彼の処世術でもあるのかなと思います。
また、彼は運動キャラにしてはオラオラ感が少なく、話し方はむしろ柔らかい部類です。
これも単に素かもしれませんが、大柄な自分は普通にしていても人より威圧感を出してしまうということを自覚した上で、意識的に柔和な態度を身につけた可能性もあるなと。
少し声を荒げたり動作で大きな音を立てたりするだけで周りをビクッとさせてしまって内心反省した経験とかもありそう。愛おしいな。全部妄想ですが。

4の登場人物たちは「失われた時間」というキーワードが共通しているんじゃないかと思っていて(風真くんと先生は海外生活、ダーホンと七ツ森くんは孤独な中学生時代、柊くんは劇団の仕事、イノリンリンは氷室家の重圧に反発したくて空回っていた時期と、それぞれが青春を謳歌するべき時期に空白期間を持っているといえます)、
でもそう考えると颯砂くんは?となるんですよね。彼は最初から自分の青春を費やしたいことに費やせていますし、部内では孤独とはいえ学校生活もそれなりにエンジョイしているように見えます。
そこで、颯砂くんルートに限っては、「失われた時間」というキーワードを持っているのは主人公の方なのでは?という考えに至りました。
確かに、主人公は自分の意思で颯砂くんのサポートに三年間を使いました。人体の限界に挑むトップアスリートにはサポートが不可欠で、それもまた誇るべき役割であることは間違いありません。
しかし颯砂くんの方は、たった一度の青春を自分のために消費させてしまったことに対して少なからず後ろめたさを感じていたのではないでしょうか。
針のむしろのような部内の雰囲気にも黙って耐えていたところからして、そもそも人に頼ることが得意ではなさそうですから。
「俺のためにゴメン」なんて面と向かって口にするのも、自分を支えると決めてくれた主人公に失礼なので、聡明な彼は言わなかったでしょうけど。

卒業後主人公に女子八種競技を勧めてくれるのも、今度は自分自身のために輝いてほしいという颯砂くんの願いが込められているんじゃないかなーと。これも考察と言うよりは妄想ですが、そうだったらいじらしいなと思いました。
ゆくゆくは世界にはばたくであろうトップアスリートでありながら、主人公の献身的なサポートを当然のものとは捉えていないところが彼の魅力だと思います。

最後にお気に入りのスクショを。

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お化け屋敷に入りたくないばかりに無茶なことを言う颯砂くんです。

あともう一つ颯砂くんに言いたいこと。
乳搾りというワードに興奮すな。
(風真くんと颯砂くん、幼稚園意外に共通点ないしダーホンと七ツ森くんほど凸凹感もないので仲良くしているのが地味に不思議なんだけど、こんなところだけ揃ってるの面白い。二人とも女子に変な夢見てるしAVから間違った性知識仕入れてそう)

 

本多行(cv.服部想之介)・・・全エンド回収済!

はい来たドーーーン!推しです。
賢くて優しくて可愛くて最高の男の子です。彼に愛される女の子はこの上ない幸せ者です。彼に出会えた私もまた幸せ者ですとも。

おしゃべりで天真爛漫なハイトーンボイスのかわいい系キャラが好きな私はダーホンには発売前から目を着けていたので、真っ先に攻略しました。
一周目だけは一切攻略本を見ずにプレイしたのですが、選択肢が非常に難しい!
博物館で太古のロマンを感じて雑さに引かれたり、ゲーセンで彼の「取れそう」という予測を否定してスネられたりしました。でもスネ方可愛かったです。
デートばかりしていたくせに、選択肢を外しまくったせいで一年目二月でようやく友好になるというペース。しかし本多兄妹イベントにはギリギリ間に合いました。
彼の真エンドを目指すにあたって注意するべきなのは二月までに友好以上になることと少しは記者活動をしておくことくらいで、比較的簡単なので一周目から真エンドを見ることができました。
だからもう一周目からダーホンだけが私の運命なんですよ。これから誰を攻略したって最終的に私の心はダーホンに行き着くんですよ。風真くんに若・・・干フラついてはいますがちゃんと戻ってきますとも。
では具体的にどこがよかったのか?
もう好きすぎて「全て」で済ませてしまいたいところですが、可能な限り言語化を試みてみます。

まずは基本的なところですが、天真爛漫さと博識さのギャップに萌えます。いろんな場所でデートしてみればわかるのですが興味の範囲が非常に広い。特に生物に興味があるようです。好みのデートスポットじゃなくても、何かしら興味を持てるポイントを見つけてウキウキと楽しんでくれるので一緒に遊びがいがあります。勉強キャラらしくスポーツ系のスポットは大体苦手に設定されていますが、それでも楽しそうにしてくれるところに懐の深さを感じます。
逆に、全く興味なさそうなのはヴィンテージバイクと現代アートとロックでした。
現代アートに無関心なのは意外でした。歴史的な絵画や彫刻なら技法や歴史的な文脈込みで関心を持てるけど、アート単体には興味がないようです。
ライブハウスではモッシュを理解できず「同じ趣味の人同士仲良くしたらいいのに」的なことを言うダーホンが可愛い。格闘技も苦手そうだったし、合意の上でも暴力的なものには忌避感を覚えるようです。可愛いなー。
万物に対して好奇心旺盛に見える彼でも本当に何でもかんでも知りたがるわけではなく、「これは知らなくてもいい」と線を引く分野があるって事実、なんだか興奮します(なんで?)
ダーホンは基本的に個人的意見をあまり挟まず事実ベースで話すタイプなのですが、そんな彼の普段見えにくい「意見(それも嫌悪)」が珍しく覗けるところにエロティシズムを感じるのかな。

次に、人間関係に対する不器用さと、それを自覚して改善しようとする努力のいじらしさです。
ダーホンを攻略していて「可愛い」の次に抱いた感想が「家族の話ばっかりするなこの子」でした。特に妹。妬けちゃうくらい妹の話が多いのです。
それもそのはず、彼は中等部時代は一人で本ばかり読んでいる子だったそう。
人懐っこそうに見えて、家族以外の人間をこれまで心の中に立ち入らせてこなかったんですね。だから他人の話をしようとすると家族のことしか出てこない。
本人も言っているように、ダーホンには他人の気持ちを理解できなかったり空気が読めなかったりする傾向が見られます。人が興味なさそうにしてても自分の話したいことを話し続けてしまったり、気になることは直球で聞いちゃったり。
ダーホンにとっては、他人とのコミュニケーションこそ難問クイズといったところかもしれません。しかもシビアな時間制限付き。
家族はさすがダーホンの特性に理解が深くて、察することが苦手な彼でもわかるようにコミュニケーションに関するルールをいくつか定めているようです(興味ない話をされたら真顔で黙るとか)が、同級生はそこまでしてくれませんからね。
そんな彼ですが鋭い分析力とめげない心を持っているので、この間こんな状況でこれをしたら変な空気になっちゃった、次はしないように気をつけようといった改善のための努力を諦めません。
他人に何でも合わせる必要がないことは理解しているけど、自分のせいで他人に嫌な思いをさせたくないと考える優しさはある。という他者へのスタンスが良い塩梅だなと思います。
そんなダーホンですが、主人公にかける言葉、特に主人公が何か失敗したときにかける言葉の数々は、とてもデリカシーない設定のキャラとは思えないほど思いやりにあふれたものになっています。
きっと日頃から人にされて嬉しかったことをストックして、なぜ嬉しかったのか?どんな場面に応用できるか?と彼なりに分析したりもして、言葉を発するまでは一瞬でも、頭の中ではものすごいスピードで思考が巡って回答を導き出しているのではないでしょうか。主人公の心を守るために。
ロボットと形容されることもあるダーホンですが、だとすればなんて優しいロボットなんでしょうか。

個人的に、人を褒めるときに「育ちがいい」という表現を使いたくないというこだわりがあるのですが(それを褒め言葉として使うことは「育ちが悪い」人間への蔑視と表裏一体だと思うからです)確かに、事実ダーホンは「育ちがいい」と思います。言動の端々から、家族に愛されて育った子の感じが出ています。
それを感じられるポイントはたくさんあるのですが、その一つが、好感度があまり高くない状態でスキンシップに失敗したときの「ごめんね、やめてほしい」という反応ですね。
相手を傷つけないように配慮しつつ、それでいて嫌だということはハッキリと表明してくれます。例え相手に悪気がないとしても、嫌だと思ったことは嫌だと言っていいんだよと小さい頃から教えられてきたのだろうと思います。
他には、好き状態の初詣で主人公、自分、家族の順で健康を祈ろうとするところも。主人公はともかく自分の順位が家族よりも高いあたりに、彼に彼自身がどれだけ大切な存在か教えてきた家族の存在を感じられる気がします。まずは自分を優先することに罪悪感を抱かせない教育方針だったのかなと。考えすぎかな。
好奇心旺盛なダーホンがマッドサイエンティスト的な方向に転ばないのも、そうなったら自分を愛してくれる家族が悲しむとわかっているからなのでしょう。

一番好きなときめき会話は牧場です。ときめくっていう感じではありませんが、ダーホンがこんないい子に育ったルーツにも少し触れられるし、ダーホンが主人公という他者を必要としてくれる理由にも腑に落ちるものがあるからです。
彼という迷い羊を群れに連れ戻す牧羊犬としてずっと傍にいてほしいということですよね要は。牧場だけに。望むところだ!!!
ときめき会話ではありませんが、煉瓦道で手焼きのレンガを踏むのが申し訳ない気がするという選択肢を選ぶと「そういうの好きだな」と言ってくれるのも印象的です。
非効率的だったり本末転倒だったりしても、優しさがベースにある意見を喜ぶ傾向がありますねダーホンは。
自分に欠けている(と彼が思っている)優しさを持っている人物に惹かれるということかな。
優しさが欠けてしまえば人の道を踏み外しかねない自分の危うさを自覚しているところが聡いなと思います。

あと、細かいですが、個人的に好きなのは「かわいい」という褒め言葉をほとんど使わないところ。
何かと褒めてくれる彼ですが「君って面白い」「いい着眼点だね」と主に主人公の行動や考え方を褒めてくれますし、服を褒めるにしても「似合ってる」とか「それ着てる君が好き」とか言ってくれます。
真正面から「カワイイ」を言ってくれる七ツ森くんにもクラクラきますが、なんというか「女の子はこう褒めるもの」という定型を持たないダーホンのピュアさに惹かれます。
普段言わないからこそ、たまに言うと破壊力が高くなるというのもあります。お化け屋敷のときめき会話は必見です。
あと、個人的にかわいい系キャラが「俺だって男なんだよ・・・?」と言いだす展開が苦手なのですが(いい意味で男らしさを感じさせないという素晴らしい長所をかなぐり捨てないでほしい!)ダーホンはそういうこと言わないのもよかったです。

次に、攻略本を読んでいて気がついたダーホン可愛いポイントを一つ紹介しますね。
体育祭の玉入れのミニゲームではコントロールの良さや素早さなどの能力値がキャラごとに設定されています。その中に「妨害の優先度」という項目があるのですが(相手の陣地への妨害行為をどれだけ積極的にやるかという数値です)、ダーホンは全キャラで最低値の「1」。可愛くないですか??ダーホンは戦略的には妨害も有効であることは知っているけど性格的に好まないんだろうなと思うとすごく可愛い。
生き生きと妨害しているキャラもそれはそれで可愛いですけどね。ちなみに最高値は「6」で七ツ森くん、イノリンリン、ひかるちゃんが該当します。

最後にお気に入りのスクショを。

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私のシックな装いを醤油ラーメンに例えて褒めてくれるダーホン。この後に続く言葉も面白くて可愛くて嬉しかったです。お試しあれ。